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「あー、それで聞きたいことあるんじゃないの?」
すぐ傍にある花壇を見ながらたずねる。
『ん? なに、』
「冬至のこと。」
『............。』
黙ってしまった。
これは俺が思っているより進展していないのかもしれない。いや、違う。もっと悪い。
まったく変わっていないのだ。
あのときから。
「冬至、すぐそこにいるから代わろうか? 電話。」
『えっ! ちょ、いや、いやいや。まってっ、やめて。』
「でも、」
いや、だって、あれだし、これだし、それだし。
と、ぶつぶつ呟き始める兄に失敗したと後悔。もうこれは無理矢理にでも代わろうか。
そう思いながら、廊下の突き当たり。何気なくみたそこに、
「あーっ!! しのだーっ!」
危うく項垂れそうになった。
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