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『篠、ちょっと変わったね。』
「へ?」
含み笑いとともに耳をうつ、昔から変わらない落ちついた声。
それに安心してしまったのか、変な声がでてしまう。
『んー、なんていえばいいんだろ。ずっと動揺してるというか、浮わついてるというか。』
「それ遠回しに真面目になれっていってる?」
『ああ、もう違う違う。篠は相変わらず想像力豊かだなぁ。......ほら篠って子供のときから落ち着きがあって無欲で、周りのものには全然興味ない子だったでしょ。まぁ、半分は俺のせいかもせしれな、』
「兄さん。その話はもう終わったよね。」
思いの外、強い口調になってしまって申し訳なさがわいてくる。
『............うん、ごめん。』
急にしおらしくなってしまった兄にも。
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