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「......あれ、これ少なくないですか?」


まだ怒りが収まらないのか、眉間のしわをいつもの倍濃くした冬至に、書類を渡された子の声がかかる。


少ない......?


それは、おかしい。あの書類はたぶん生徒会から渡された書類で間違いないだろう。
生徒会とは冬至と会長の仲もあり、ほぼ敵対していると言っていいが、これまで生徒会から回ってきた書類に不備があったことなんて、


「あぁ、それか。」


え?


「今日締め切りの書類はそれだけしか受け取れなかった。あとのはまだ出来ていないそうだ。」

「ぇ、」


出来ていない? そんなこと今まで一度も。


「はっ。ついにボロが出てきたってことだ。あいつに生徒会長なんて所詮無理だったんだ。」

「委員長......。」


最高に気持ちがいいというように声の調子をあげて話す冬至に、飛ぶ声。

振り返れば、微妙な顔をした慎吾くん。なにかを言いたそうに口をぱくぱくさせる彼を見、


「言葉と顔が一致してないって。」


より一層、微妙な顔をした冬至の姿を映す。






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