5 「あー、ごめん。それ、俺が買ってきたやつだ。」 「え!?」 「慎吾くんがそこまでお酒弱いって知らなくて。」 「いえいえ。知らなくて当然のことですから。知ってるのに食べたこいつがいけないんです。」 「なんだとー。」 そう叫んで、眠たげに身体を友人へと預ける彼に申し訳ない気持ちになる。昨日ちゃんと処分しとくんだった。 あまり美味しいとはいえない味に、もったいないからといって、捨てずに置いていたのがいけなかったのかもしれない。 「すいません、先輩。ちょっとこいつ部屋に寝かせてきてもいいですか。人員不足っていうのはわかっているんですけど。」 申し訳そうに、眉をさげる後輩に否定の言葉はでない。そもそもの原因は俺なのだし、ここでノーといのは鬼ぐらいのものだろう。 [*前へ][次へ#] [戻る] |