※2 「わっ、これおいしそー!」 「あ、ほんとだ。」 「会長様にお見舞い持っていこうかなー。」 只今絶賛バイト中の彼、新島がこのバイトを始めてからすでに常連と言える3人組の会話に、口元が歪んでいくのを止められない。 「............。」 ほんとうに理解不能だ。 目の前のおかしな光景を見て、頭を占めるのはこの言葉だけ。 最初この学園の生徒を見たときは、流石選りすぐりのお坊っちゃまだけを集めた金持ち学園の生徒様方だと思ったものだ。 自分のような、中の下にいる人間とは訳が違う。そう思わざる得なかった。 何が違うと、明確な答えは分からないが、何かが決定的に違うということだけは、常日頃から兄にバカにされる自分の頭でも分かった。 自分みたいな一般階級の庶民に勝手な判断をされたくないだろう。そう思い、すぐに深く考えることはやめにした。 だがある時、彼らがいつも以上に真剣な顔をして何かを話し込んでいるのを発見したのだ。 あれは、週明けの出勤の時だっただろうか。いつも購買へお茶を買いにくる女のような顔した3人組。 興味半分でと耳をたててみれば、その話の中心はこの高校で酷く有名らしい、所詮同じ高校生である誰かの話。そして、この学園は全寮制の男子高だ。 それを、やれ何々様が格好いいだの、やれ何々様に抱かれたいだの。金持ちの家に生まれた坊っちゃんは全員がこうであるのか。 本気で日本の未来を心配した。 まじで大丈夫か日本。いや、それ以上に、こいつらマジでヤバイんじゃなかろうか。 [*前へ][次へ#] [戻る] |