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そう、自分勝手な想像を繰り広げると、冬至を睨み付けるその横顔に、あるはずもないものを発見したような気になって。
「あっ......!」
「あ、どうしたんだ。桜庭。」
会長に向けられていた視線がそれる。
「冬至っ! 俺、昨日準備室に書類置き忘れたかも!」
「なんだと? なんの書類だ?」
「分かんない。でも多分すごい大切な書類。」
「このバカっ! 貴様なにやってるんだ! 今から探しにいくぞ。」
「うん。行く行く。」
瞬時に真面目な顔になり、風紀室を出ていった冬至を追いかけるため、ドアのぶを握る。
いまだソファーの横に突っ立ったままの会長へ、できる限り普通の声色で声をかけた。
「あっ、会長。それ、別に飲まなくていいからね。ただのインスタントだし。会長がいっつも飲んでるのって、ここのコンビニにしか売ってないコーヒーだよね。あれ、俺も飲んだことあるけど美味しかったよ。」
ドアのぶを、引く。
「だからそれ、そこらへん置いといてね。帰ってきたら冬至が片付けるから。」
「え、あ。」
何か言いたそうな会長をおいて、ドアを閉める。
ガチャリ、と鍵の部分の金属音。
それにほっ、と安心して安堵の息をつく。
「はぁ。」
あの会長に、こんな助けなんていらなかったかもしれない。
彼のことだ。きっと、俺が気をつかって嘘を言ったことにも気づいているだろう。
そうなれば、あの会長の怒りをかうのは当然のことで。
でも。
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