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と、それから少し。
いくら待っても、罵声のひとつもとんでこない。
「............。」
いい加減、不審に思い、ちろりと目だけで会長の姿を確認してみれば、なぜか会長は普段から鋭い目付きをもっと鋭くさせ、一身に冬至のいる方向を睨んでいた。
え、あれ。
これ、どういう状況だろう。
流石の冬至もその剣幕に圧され気味なのか、生徒たちの間で冷静沈着と呼び声高い彼から、珍しく戸惑いの感情が伝わってきた。
「あ、あの。......会長?」
たまらず顔を上げ、目の前の彼に声をかける。
だが、彼は俺の声が聞こえていないのか、いまだ伺えるのは、その美形といわれる横顔だけ。
「会長。」
もう一度、会長に声をかけながらその視線を目で追ってみれば、やはりというかなんというか。やはり、冬至に行き着いた。
「冬至。」
この状況を、どうするのか。
そんな意味をこめて、呼んだ彼の名に、なぜか会長が反応した。
その鋭い刃物のような目を引っ込め、ソファーから腰を上げる。
俺が手渡した書類を、そのまま器用に丸めると、冬至にもう一睨みお見舞いし、風紀室を出ていこうとする。
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