2
友達になった三色に連れられて、初めて来た食堂。
広いホールに、人の波の割れた先。
ーーはじめて。初めてみた。
あんな綺麗なものを、初めて見た気がした。
胸が、どくどくと締め付けられるように痛い。顔が火照ったように、熱かった。
気がつくとーーーー。
「おいっ!」
掴んでいた。
手を伸ばさなければいけないと思った。早く、早く捕まえなければ。
早く、早く。はやく。
どうしようもなく不安だった。
自分が好きになったものが、人が。自分を好きにならないはずがない。そうわかっていても、どうしてか落ち着かない。
何を不安に思うことがあるのか、それすら分からない。だけど、だけれど。
「......ぁっ、」
ただ、思った。
「あ、あ、あなたっ! 太陽になんてことをしているんですかっ!」
「......別に。そいつが」
好き、だと思った。
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