[携帯モード] [URL送信]





友達になった三色に連れられて、初めて来た食堂。

広いホールに、人の波の割れた先。






ーーはじめて。初めてみた。


あんな綺麗なものを、初めて見た気がした。





胸が、どくどくと締め付けられるように痛い。顔が火照ったように、熱かった。





気がつくとーーーー。






「おいっ!」



掴んでいた。

手を伸ばさなければいけないと思った。早く、早く捕まえなければ。


早く、早く。はやく。


どうしようもなく不安だった。
自分が好きになったものが、人が。自分を好きにならないはずがない。そうわかっていても、どうしてか落ち着かない。


何を不安に思うことがあるのか、それすら分からない。だけど、だけれど。




「......ぁっ、」




ただ、思った。





「あ、あ、あなたっ! 太陽になんてことをしているんですかっ!」
 

「......別に。そいつが」






好き、だと思った。







[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!