6
だって。
「っ、」
嫌われるかもしれない。
もう話してもらえないかもしれない。
目も合わせてくれなくなるかもしれない。
......まぁ、今現在進行形で役にたたないと突き放されたわけだけど。それなら役に立つようになればいいだけの話だ。まだ希望はある。
そこまで絶望的な状況なわけでも、............あぁ。ダメだ。
悲しくなってきた。
「おい、桜庭。」
いつまでも言葉を発しない俺に焦れたのか、鋭い声で名前を呼んでくる冬至に淡々顔を上げる。その目付きは、声と同じで鋭くて。
「あぁ、わかったぞ。お前がバ会長を気にかけている理由が。」
「へ............?」
目の前で、不敵に歪む口元に違和感。
冬至って、こんな笑い方をしただろうか。
遥か昔に見たような気がする冬至の笑顔を思い出し、そう思う。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!