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「桜庭、......お前。」





冬至はその手に書類をもって、






「ここ。判子が押せてないぞ。」






判子がおせてないと............、って。



は?



「はんこ?」

「あぁ。ここだ。半分掠れてるだろ。」



そう言って見せられるのは、今日の朝見たような見ていないようなよく分からない1枚の紙。
ただ一つ分かるのは、判子の押し方がまずかったのか、その半分が掠れているということだけ。



「あー、それはごめん。朝の記憶あんまりなくて。」

「あぁ。まぁそれはいい。後で余分に刷ったやつを持ってくる。」

「え? あ、ありがとう。」



一瞬聞き間違いかと思い、反応が遅れる。冬至がこんなことを言うとは予想外だ。

てっきりいつもみたいに、あの凶悪としか言い様がないあの顔で睨まれるかと思ったのに。



なんでだ。なんだか冬至が優しいんだけど。






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