心の在りか ***** 「ーーっ、」 右膝がいたい。 身体が重い。 シーツの擦れる音がした。 「......桜庭? 起きたのか。」 「............とうじ、」 上から降り注ぐ光の眩しさにまばたきしながら、声のほうへ顔を向けてみる。 いつもより眉間のシワを濃くした冬至の姿を発見して、安心すると同時になんだか心配になる。 毎日、毎日あんなに深くシワを刻んで大丈夫なんだろうか。 あとがついて後悔しても遅いのに。 「おい、お前。今、何か失礼なことを......いや、よそう。確かめるまでもなく考えてるな、その顔は。」 「え? 考えてないよ。俺は心配してるだけ。」 「心配? お前が俺の心配なんて今までしたことあったか?」 「え、」 あったよね、......たぶん。 [*前へ][次へ#] [戻る] |