5 そして問題は、 「......君も一緒にきてくれるかな。事情も聞かなきゃいけないし。」 「はぁ!? なんでだよっ。意味わかんねぇ!! こいつらが突っかかってきたんだぞ! 俺は悪くない!」 「いや、まぁそうかもしれないけど。規則だから、」 「俺はいかない!!」 やはり。怒ったような表情でこちらに詰めよってくる転校生に、些かうんざりしてしてまう。 転校生が自分たちを殴ろうとしたことを思い出したのか、怯えるように身を小さくした二人を背中の後ろへ隠す。 「俺は絶対いかないからなっ!!」 「でも君、殴ろうとしたでしょ。先に言ってきたのは彼らかもしれないけど、殴ろうとしたのはいけないよ。」 「でも俺はっ!」 「別に罰則があるわけじゃないから。君は被害者だし。ちょっと一緒に来てほしいだけで、」 「いかない!! だいたい、アイツらが変なこと言ったのがいけないんだろ! り、理巧が迷惑してるとかっ。そんな訳ないのにっ!」 足で地面をどんどん踏み鳴らしながら会長の名前を叫ぶ転校生に、だんだんと気持ちが冷めていくのがわかる。今まで押さえつけていた、嫌な気持ちも一緒に出てきそうで。 胸が痛い。心臓のあたりをぎゅっと握る。 あぁ、いやだ。 ほんとにいやだ。 目の前の転校生を見る。 [*前へ][次へ#] [戻る] |