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一目惚れだった。







親の転勤で引っ越してきた町の高校に転校して、初めての顔合わせ。
転校は初めてのことで少しばかり緊張もしたが、この変わらない日常に飽き飽きしていた俺にとってはいい出来事といってもよくて。


新米担任の馴れない説明のあと、教室に入る。


クラスメイト全員が俺をみて、その目を好奇心で輝かせる。正直うざったい。
お前たちは俺に何を求めてるんだ。

面倒なことこの上ない。




だけど、すぐに。その瞬間に。

1秒も見ただろうか。俺のことを彼は。




興味なさ気に逸らされた視線は、窓の外の雲を掴まえて。
眠そうな欠伸をした口は、不満気に結ばれている。




そして彼は、今まで見た何よりも美しかった。





「おい、彰。ホームルームいつまであんの。」

「あ? 知らねぇよ。俺に話しかけるな。ミキちゃんにちょっかいだしやがって。」

「えー、まだ怒ってんの? 長くね。」

「うるさい、ド阿呆!」




友人なのか、彼と楽しそうに会話をする男に苛立ちが募る。


彼はこちらを見ない。

俺をみない。



あぁ、もう一体どうしようか。




どうやって。

どうして。







彼をここへ捕まえようか。








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