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すると、俺とちょうど同じタイミングで席を立った女の子が廊下に消えていくのが見えた。

あの子は、すごく勉強ができる工藤さんだ。この前のテストも学年で一番だった気がする。



彼女を追いかけるため、反対側のドアに手をかける。急いで廊下にでて、まだ見える彼女の背中を追った。


授業5分前の廊下には、もう人影はない。まだ夏本番には早い太陽の距離は、少しの肌寒さを俺にもたらす。


ひぃ、ブレザー羽織ってくればよかったー。


ついさっきの自分の行いが悔やまれる。



「やっぱ取りに戻ろっかな。」



廊下を歩きながら、鳥肌のたつ腕に小さく呟く。が、




「............あ。」




いた。伊瀬だ。





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