[携帯モード] [URL送信]




「ん、じゃあとりあえず。ーー俺は、お前が恋愛感情で好きだ。」

「............は。」


なに言って。


「その理由に、俺は今お前に欲情してる。」

「よ、よ、よ、......よくじょうっ!?」

「あぁ。」

「よ、よ、よくじょうって。あの、よくじょうっ? あの、性欲的な意味のよくじょう!?」

「あぁ、そうだ。」

「ええー!?」

なんで、そんなことにっ。

「俺、男だぞ! あれもついてるんだけどっ!」

「そんなこと初めから知ってる。だけど、好きなんだからしょうがないだろ。それに、俺も男だ。」

「そんなこと俺だって知ってるよっ! だけど、好きだから。」


そうだ、俺は伊瀬が男でも好きで。

背ぇ高くて、かっこよくて、ナキボクロのある目元がエロくて、いつも誰に対しても優しい伊瀬が好きで。


でも、お前は。



「な、なんでだよっ。なんでそんなこと言うんだよっ。俺、言ったじゃんか! お前に嫌なこといっぱいしたって。おまえを嫌いだったんだって。だからっ。」

「今は。」

「え......?」


視線がかちり、と合わさる。真っ直ぐなその瞳の奥に、確かな熱を感じた気がして。


「過去のことなんてどうでもいい。今は? 今は俺をどう思ってる? まだ、俺がムカつくか? まだ俺がきら。」

「そんなわけないっ!」


叫んだ喉がいたい。

身体があつい。

ほのかな熱をもち、湿った頬に、彼の手の感触。


「い、せ。」


声が震えた。




[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!