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じっーと恨みをこめて彼を見つめる。と、彼はその表情を小さく歪めて、教室を出ていく。

あっ。

まさかあれを見たのか。



「え、なに。なんなの。」

「えー、菫くんどうしたわけ?」



彼の周りに集まっていたスカートの短い女の子たちが口々に疑問を口にする。たぶん彼は今日俺が仕込んでおいたとっておきを見たのだ。


今ごろ廊下で泣いてるかもしれない。

これは見に行かなければ。



「えー、なに。あいつ。......って、お前もいくの。」



もうすぐ授業が始まるというのに、席をたった俺に彰が首を傾げてくる。


「うん。ちょっとトイレー。」


適当に返事をして、彰のほうに手をふる。



早くいかないと。見失ってしまう。







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あきゅろす。
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