gift & present 相互記念小説(萩さまへ) 「奈々ちゃん、何作ってるのー?」 「アップルパイですよ」 いつの間にか後ろにいたゆかりさんは、アップルパイに使う林檎の甘煮が冷まして置いてあるのを、ひょいとのぞき込んできた。 「何でアップルパイ?」 「んー…そこに林檎があったから…?」 「わけわかんなーい」 ゆかりさんが楽しそうに笑う。 「味見、してみます?もう冷めてるから大丈夫だと思いますけど」 「ちょーだい」 スプーンで林檎をすくってゆかりさんの口に運んだ。 「どうですか?」 「んー…甘さがちょうど良くて美味しー。奈々ちゃんの味がするー」 「へっ!?」 「奈々ちゃんも食べてみる?」 「えっ、ゆかりさ…」 瞬間、唇には柔らかな温もりと甘い味を押しつけられた。 「…どお?」 頬を僅かに朱に染めて、顔をのぞき込まれる。 少し熱を帯びたその表情に、鼓動が大きく波を打った。 「…ゆかりさんの味がします」 そう答えたら、ゆかりさんに「…ばか」と言われて、また唇を押しつけられた。 私は今にもとろけそうな脳みそで、今日を“林檎記念日”と密かに名付けた。 萩さまへ贈らせていただきました。これでもゆかりななのつもりです。(何 短文乱文ですみませんっm(_ _;)m [*前へ] [戻る] |