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See anyting because of her(5000hit記念作品・フェイはや)
フェイトちゃんはおもむろに私の後ろにあるベッドの縁に座り、しばらく経ってからぽつりと一言。


「はやての手はちっちゃくて可愛いなー」
「ほぁ?」


余りに突然だったものだから間抜けな声を出してしまった。


「体が私の方が大きいから簡単に包めちゃうよ」


そう言うと、後ろから抱き寄せて私の手をそっと握って包んだ。

恥ずかしくなってつい悪態をついてしまう。


「どーせうちはチビですよー」
「拗ねないでよ」


フェイトちゃんは苦笑いした。



「ていうか、勉強は?」



そう今は二人で来週のテストのために勉強会を開いていたのだ。


うちは国語、フェイトちゃんは数学を互いに教え合って。






というはずだったのに。




フェイトちゃんときたら私の勉強は見てくれるものの、一向に自分の勉強に手をつけようとしない。





「んー?休憩だよー」
「休憩って…じゃあ一人で休憩してな。うちはまだ勉強中」



まだ始めて三十分も経ってないし。


ちらっとフェイトちゃんのノートを見ると真っ白だった。



「自分、ほんまなーんもやってないやん。勉強しに来たんやろー?」


呆れてため息をつく。


「うん、そのつもりで来たんだけど…」
「けど?」


耳元にフェイトちゃんの口。


「はやてがあまりに可愛いから勉強に集中出来ないんだよ」
「っ!?」


フェイトちゃんの喋る吐息がくすぐったくて、びくっと身を捩る。



「はやて、もしかして嬉しかったりする?」



フェイトちゃんの自惚れを(大体は当たってるけども)否定しようとして体を捻って振り向くと、唇に柔らかい感触が。



「…っ!フェイトちゃんのバカ」
「はいはい」
「全然わかってへん!」
「はやてだってわかってないよ」
「は、何が」




再び唇に柔らかい感触が降ってきたと思うと、今度は頬に、額に、瞼に、首にキスの雨。



ある程度雨を降らせると、再び唇に。
しかしさっきとは違く、とても深く。



何度も何度も角度を変えて。



酸素が足りなくなってきたところでやっと解放された。



「はやてはどれだけ自分が魅力的かわかってないんだよ」



恋は盲目だね、なんて言いながらフェイトちゃんはニコッと笑ってコツンと額を合わせた。



「…それならフェイトちゃんのほうこそわかってへん」




どれだけ魅力的か、だなんて。



勉強しながら、私がどれだけフェイトちゃんのこと見とれていたか、当の本人はわかっていないだろう。



私のほうこそ完全に盲目なのだ。




私はフェイトちゃんの首に抱きついてそのまま一緒に倒れた。


「わっ…はやて、勉強は?」
「何かもうええわ。てか、さいっしょからやる気無かった人に言われたくないなー」
「はいはい」


優しく髪を撫でてくれた。


私も抱きしめ返した。



彼女の匂いで目の前がくらくらして何も見えなくなった。




end




あとがき
初のフェイはやでした。
なかなかフェイはやの感覚が掴めません。自分何が書きたかったんだか。(・ω・;)

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あきゅろす。
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