sweet morning(フェイなの)
目を覚ますと暖かな温もりを感じた。
目の前には綺麗な金の髪をシーツを広げ、規則正しい寝息で未だ夢の中にいる愛しい人の寝顔。すぐに自分が抱きしめられていることに気がついた。
「そっか…ヴィヴィオははやてちゃんのところにお泊まりなんだっけ…」
八神家には主が読書家なのもあって絵本や童話などの本が豊富にあり、たまにヴィヴィオは本を読みにお泊まりに行くことがある。
あまりにも寝顔が可愛かったのでその頬にそっと口付けた。
「ん…な、のは…?」
「あ、ごめんフェイトちゃん。起こしちゃった?」
「んーん、大丈夫。おはよう、なのは」
そう言って優しくキスしてくれる。日常的な行為だけど、愛しさがとめどなく溢れて仕方がない。
「うん、おはようフェイトちゃん。今日は朝は私たち二人だけだね。」
「そうだね。…昨日のなのは、可愛かったよ。」
「っ!もう、フェイトちゃんのバカ!…フェイトちゃんのせいでせっかくのオフなのに腰が痛いんだから!」
未だ優しく抱きしめてくれている腕の中で、ぽかぽかと目の前の白い肌をさらけ出した肩を叩く。
「ごめんごめんっ。でもなのはにも非があると思うけどなぁ。」
苦笑いをしながら、なのはの綺麗な亜麻色の髪を手で梳く。と、同時に抱きしめる腕の力が少しだけ強くなった。
「…どうして?」
「だってあんな潤んだ目で可愛い声出されたら止まれるものも止まれないよ。」
一気に顔に血液が集中する感覚がした。
「…もうフェイトちゃんなんか知らないっ、私もう起きて朝ごはん用意するから!なるべく早く起きてきてね。」
「え、もう起きちゃうの?もう少しだけ…」
「今日は三人ともお休みだから皆でお買い物行こうってヴィヴィオと約束したでしょ?」
「…そうでした。」
さすがに愛する愛娘との約束は破れず、渋々腕からなのはを解放した。
残念そうなフェイトの顔に、表面では少し呆れたような表情を出していたなのはだったが、内心幸せな気持ちで一杯だった。
(フェイトちゃん、ヴィヴィオ、私幸せすぎて溶けちゃいそうだよ。)
そんなことを朝の甘いひとときで麻痺した頭でぼんやり考えつつ、朝食の準備に取り掛かる。
愛しい人達と一緒に過ごす一日にさらなる幸せの予感を感じて胸が高鳴った。
end
あとがき
初フェイなのSSです。「せいぜい精進しろよ」と温かく見守っていただければ幸いです。(・v・)
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