もうちょっとメイクビリーブ
・・・・・・
『もうすぐ新年がやってきます!みなさん準備は良いですか?』
テレビの司会者の声がした。
こんな時に俺の恋人は、なぜ…
「あっ、あぁんっ」
「チカラ……可愛い」
人の乳首を舐めて何が楽しいんだ!
このままじゃ0:00になっちゃう…
「東郷先輩……待って、あとで…」
「あとなんてあるかよ……待てない」
「じゃあもう、早くいれてくださいっ…」
俺の必死な思いが通じたのか、東郷先輩は俺の服を脱がせて寝かせると両足を持ち上げた。
恥ずかしさでクラクラするけど、そんなこと言ってれない…
「中谷…」
「せ、んぱっ……やあぁっ!」
東郷先輩のモノが一気に入ってきて、息ができなくなるかと思った。
でもこれ、気持ちいい…
「あっ、やぁんっ、あぁっ…」
『さぁ今年も残すところあと5分!あ、VTRいきますか?はーい』
あぁテレビの音が余計恥ずかしい…
って、あと5分!?
「先輩っ、あの……ああぁっ!」
「中谷?」
ダメだってば。いや別にどうでも…
いやいや、やっぱりこんな状況で新年を迎えるのは嫌だぁっ!
「やだ、もう、いやあっ…」
「……なんだよ。煽ってんのか?」
俺の必死の懇願は「煽ってんのか」なんていう言葉で済まされた。
もうダメだ…
******
『……というわけで、新年最初のゲストはこちらの方!』
『あけましておめでとうございまーす!』
テレビからは相変わらず騒がしい声が聞こえている。
気がついて東郷先輩がコンドームを捨てているのを見た時にはもう、とっくに年が変わっていた。
大事な瞬間を、あんなことしながら過ごすなんて。東郷リュウの…
「ばかぁっ!」
「中谷?」
「なんでこんな、年越しの瞬間に、こんな…」
「年越しってそんな大事か?」
「大事ですよー!」
東郷先輩は「へぇそうなんだ」とでも言いたげな顔をした。
「じゃあ、中谷と繋がったまま年が越せて最高だった」
「……なっ…」
なんてことを言うんだ!
そんなこと言われたら……なんていうか、さっきよりかは…
ちょっと嬉しいかも。
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