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ラブスクイズ
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小悪魔なんて演じたって、結城さんは俺なんかの虜になってくれない。
むしろ、小悪魔は結城さんの方だ。

「二条の同級生?」

「はい……覚えてますか?」

「当たり前だろ。ちゃんと全員覚えてるよ」

覚えてなくて良いのに……バカじゃないの。

数日後、久々に結城さんが家に来た。
俺はソファに座る結城さんの隣に腰かける。本当は嫌だけど、一応言っておかなきゃ。

「みんな、結城さんに会いたいらしいですよ」

俺がそう言うと結城さんは凄く嬉しそうな顔になった。ムカつく。

「男の子なら誰でも好きなんですね。結城さんって」

「え?いやいや……先輩として嬉しいだけだよ」

結城さんは慌てながらもやっぱり嬉しそうだ。結城さんの為に淹れたコーヒーを顔面にかけてやりたい衝動にかられた。

「まぁみんな毎日忙しいって言ってたし、実現するかは怪しいですけど…」

真っ赤な嘘で予防線を張ったのに、結城さんから思いがけない一言。

「あ、来週の土曜俺たちの代の同窓会があるから……そこに二条たちも来ればいいんじゃないか?」

「な…」

なんでそんなにおあつらえ向きなイベントがあるの!!

「みんなに連絡しといてくれ」と結城さんに言われて、仕方なく頷いた。
他の飲み会なら行かせないのに、野球部の同窓会となると“キャプテン命令”って感じがしてしまう。

「後輩に会うの、久しぶりだなぁ」

この人まさか本気で下心があんじゃないの?
俺と再会した時はあんなに気まずそうだったのに(そりゃそうか?)今はなんかワクワクしてるし…

「……そろそろ帰ったらどうですか?」

冷たく言って、不機嫌アピールしてみた。
すると結城さんは眉を八の字にして何か言いたそうに俺を見る。

「二条…」

「……なんですか?」

「そうだよな……邪魔して悪かった」

は!?
本当に帰るわけ?それで良いわけ?
って言おうとしたら結城さんは早速自分の鞄を手に取った。

結城さん……やだ。
本当に帰っちゃうの……?

「結城さん、帰りたいんですか?」

立ち上がって玄関に向かう結城さんを追いかける。結城さんは苦笑いで首を振った。

「そんなことないけど……長居しちゃ悪いしな」

どうやらこの人は本当に俺が帰ってほしがってると思ってるらしい。

「……わかりましたっ」

後に引けなかったから、結城さんが家を出るのと同時に思いきりドアを閉めてやった。
部屋に戻って結城さんからの連絡を待ってみるけど、何も無し。

結城さんは無意識的な小悪魔だ。
本当は俺の方がアンタに辟易してるって、ほんの少しでも気付いているんだろうか?


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あきゅろす。
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