隣の芝生は青いンデスペシャル
★★★★
---Kagura side---
昨日は楽しかったなー。
チカちゃんと紅葉くんっていう友達ができて、高階と「お似合い」って言ってもらった。
その後は高階の家に泊まって、結局今日も一緒にいる。
「高階ってサッカー好きなの?」
部屋でくつろぐ高階に訊いてみた。ちなみに俺は高階の宿題をやらされてる。
「なんだよ急に」
「得意なのは球技大会で知ってたけど、あんなに好きだとは思わなかったから」
「まぁ、好きだよ。好きなもんはだいたい得意なんだよ。サッカーとかセックスとか」
「えぇ?何それ…」
子供好きっていうのも知らなかったし、まだまだ高階のことよく知らないんだなぁ。
「でもさぁ、チカちゃんって良い子だったよねっ!また会いたいなぁ」
「また会えばいいじゃん。俺も紅葉とサッカーしてぇ」
「だよね!今度いつ会えるか、電話してみようかなぁ」
「……電話?」
高階がなにか言いたげに俺を見たけど、「なんでもない」って言うから俺はチカちゃんに電話をかけた。
昨日、番号交換しておいてよかったなー!
チカちゃんは電話をかけるとすぐに出てくれた。
「あ、もしもしチカちゃん?成井です!」
『神楽さん!昨日はありがとうございました』
「楽しかったよね!また遊ぼうよー」
チカちゃんも「ぜひ」って言ってくれた。
そうだ、チカちゃんの彼氏さんも誘ったらいいんじゃないかな?
って言ったら、チカちゃんは言葉を詰まらせた。
『いやーどうでしょうか、それは…』
会う予定ないのかな?って思ったら、今彼氏さんの家に来てるらしい。うきゃー、邪魔してしまったよ!
「じゃあ今、隣にいるの?」
『いえ、部屋の外にいます……東郷先輩、こういう電話とかも怒るから…』
チカちゃんがそう言った瞬間、電話がブツリと切れてしまった。
電池切れ?いやもしかして…
「……あれ、彼氏さんにバレて切られちゃったのかなぁ?」
高階は「やっぱりな」と呟いた。
わかってたのー?
「さっき言いかけてたのってこのこと?教えてくれたら良かったじゃん!」
「まぁいっかと思って」
「良くないよっ!全然良くないよー!」
どうしよー、俺のせいだ!
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