[携帯モード] [URL送信]

隣の芝生は青いンデスペシャル
☆☆☆☆
少しすると、神楽さんが戻ってきた。

「チカちゃんと紅葉くんの分も買ってきたよー」

「あ、すみません!お金払います…」

なぜか高階さんに「別にいいよ」と言ってもらった。
1人で遊んでた紅葉も一緒に、4人でジュースを飲んだ。

「高階、なに話してたの?」

「ん?お前が俺に惚れたって話」

「あー、お得意の自慢話ね!」

「ケンカ売ってんのか」

高階さんと神楽さん、仲良いんだな…
それに、男と付き合ってるのって俺だけじゃないんだってなんか安心する。

「チカちゃんの恋人はどんな人?怖くて強いんでしょ!鬼軍曹?」

「いや違います……そうですね、うーん……あ、強引な人です!」

脅されて付き合い始めたのを強調したかったのもあるけど、東郷先輩の特徴を訊かれてもこれしか思い浮かばなかった。

「強引?」

「束縛じゃないけど……感情直結型っていうか、怒りっぽいっていうか…」

「悪口パレードだな」

高階さんにそう言われたけど、本当にそう思うんだよなぁ。せめてあの嫉妬深いところとか…

「あの、お二人はお互い嫉妬しますか?」

二人はきょとんとしたかと思うと、高階さんはすぐに答えてくれた。

「まぁ、神楽は嫉妬しないんじゃねぇ?」

「え、なんで俺のことを高階が…」

「どうしてそう思うんですか?」

高階さんはキッパリと言い放った。

「だって俺すげぇモテるし。いちいち嫉妬してたら疲れるよなぁ?」

……本物だ。本物のナルシストだ…
神楽さんが「自分で言う?」ってつっこんでくれたから良かった。

「俺じゃなくて、高階は?嫉妬とかしないの?」

「さぁ……お前、友達すくねぇし」

「そ、そんなことないよー!」

結局2人ともしないってことなのかな?
「そんなこと気にしない」というような2人のスタンスが、俺にはすごくうらやましく映った。
東郷先輩とも、こんな関係が良かったな…

******

その後、高階さんは紅葉とサッカーを再開したから、俺は神楽さんといろんな話をした。
高階さんと東郷先輩は意地悪なところが似てるなって思ったんだけど、神楽さんいわく高階さんは「それでも好きと思わせる魔法を持ってる」らしい。

「なんか2人、お似合いですよね…」

「わーい!初めて言われた!チカちゃんたちもお似合いだよ!会ったことないけど」

「……はぁ、どうも…」

お似合い……いや、それはない。

[*前へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!