[携帯モード] [URL送信]

隣の芝生は青いンデスペシャル
☆☆☆☆
高階榊さんは本当にサッカーが上手くて、教え方もわかりやすかった。でもサッカー部というわけじゃないらしい。

「お兄ちゃん上手だねー」

「まぁな。それとお兄様と呼べ」

そして、どうやら自信家の類いらしい。
まぁ目の前で綺麗なリフティング見せられたら何も言えないけど。

「チカラ兄ちゃんもこれくらい上手かったら良かったのに」

「え?あぁ……ごめんなさい」

素直に紅葉に頭を下げると、高階さんが吹き出した。

「アンタって俺の彼女にちょっと似てるわ」

「え?」

「恋人にイジめられるタイプだろ?」

「……はぁ。そうかもしれないです…」

俺って東郷先輩にイジめられてるのかなぁ。
それより、男に似てるなんて彼女さんに失礼じゃないか?

******

紅葉のキックが様になってきた頃、うす暗くなってきたからうちに帰ることにした。
紅葉は高階さんと会えたのが嬉しかったのかなかなか離れようとしない。

「お兄ちゃん、また教えに来てくれる?」

「いいよ。いつもここにいんの?」

質問を振られてビックリしたけど、先に紅葉が「明日もいるー」と答えてしまった。
明日土曜日なんだけど、俺も来なきゃいけないのか……?

「あーでも彼女と約束してるから、ソイツも連れてきていい?」

「いいよ!」

「じゃあ明日な。紅葉、チカちゃん」

チカちゃんはできればやめてほしいんだけど…
まぁいいか。

「チカ兄、お友達できて良かったな!」

「まぁそうだね……俺も明日一緒に来た方がいい?」

紅葉は当たり前のように頷く。
いいけど、高階さんの彼女ってどんな人なんだろう?

帰る前に携帯をチェックすると、東郷先輩から着信があった。
放課後のこと怒ってるのかもしれない。ちょっと不安だったから、その場でかけなおした。

『中谷?』

「あ、電話来てたから……怒ってますか?」

『怒ってねぇよ……明日は空いてんのか?』

しまった。さきほど紅葉と約束してしまった。
先輩も誘うか?いやサッカーは興味ないだろうなぁ…

「すみません……明日も用事が」

沈黙。電話越しだろうと無言だろうとこういう時の東郷先輩って怖い。

『じゃあ次の日は』

「あ、日曜は何もないです!」

慌ててそう答えると、日曜会うってことで話はおさまった。
なんというか、疲れる…

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!