メイクビリーブ
☆
高校1年にして第一ボタンを閉めなきゃいけない日が来るとは…
でもなんかよく見たら首の傷が消えてないっていうか…
ていうか東郷先輩のせい!!
噛み付くとか獣かよ!!
「おはよ〜中谷、夏樹くん」
「もうお昼ですよ…」
「俺は今来ました。んで飯食ったら帰ります」
そしてお馴染みお昼休み。
「東郷先輩はどうしたのですか?」
夏樹が尋ねた通り、東郷先輩の姿が見当たらない。
「もうすぐ来るよ〜。それはそうと中谷、リュウくんどうだった?意外に下手だったらすごく笑える」
なんのことだ?俺が首を傾げていると、その首を指さされた。
「一線越えた証拠でしょ?」
なっ……なんで!?
思わず首を手で押さえる。
ボタン全部とめてるから見えないはず…
「そういうのが逆に怪しいんだよ」
「なんの話をしてるのですか?」
「聞いてよ夏樹くん、リュウと中谷ってばさぁ」
「誤解です!!事実無根だ!!」
東郷先輩が首をか……噛んだりするから!!
黒坂先輩完全に勘違いしてるじゃ…
「本当に?なんもなかった?」
……なんもなかったかと聞かれると、そりゃ……キスとか、したけど…
何も言えないでいると、東郷先輩が屋上に入ってきた。
「リュウ良いところに来た〜。中谷とどこまでいったの?」
東郷先輩は一瞬目を丸くして俺を見た。
頼むから変なこと言わないで…
そんな目で見ると東郷先輩はため息をついて、
「……お前あんまり俺の中谷をいじめんなよ」
そう言って黒坂先輩を小突く。
「リュウまでシラを切んのかよ〜ラブラブカップルめ!!」
黒坂先輩は不満そうだ。
「そう言えば黒坂先輩って結局恋人いるんですか?」
この前秘密って夏樹に言ってたけど…
いないわけ、ないよなぁ。
「夏樹くんに教えなくて中谷に教えるわけにはいかないよ〜」
黒坂先輩は秘密にしてるんじゃなくて、俺らの反応を見て楽しんでるだけだと思う…
そんな気がする。
「東郷先輩はご存知ですか?」
夏樹が東郷先輩の方を向く。と、東郷先輩も面倒そうに「まぁ」と呟く。
なんだ、東郷先輩に聞けばよかった。
「教えてください!!」
「なんで俺がお前に昴の話をしなくちゃいけないんだよ」
自分の話だってあんまりしないくせに…
なんとか口を割らせてやる!!
「東郷先輩」
「何だよ」
「俺たち、恋人同士ですよね?」
「……もちろんだ」
「恋人の親友のことだから、俺たくさん知りたいんです」
「……わかった、教える」
「リュウ、甘っ!!」
とたんに黒坂先輩が叫ぶ。
「チカラさん、素敵ですっ…」
夏樹も嬉しそうだ。良かった。
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