[携帯モード] [URL送信]

神様の言う通り!
----------
翌日、神楽に鞄を持たせて帰っていると神楽が突然騒ぎだした。

「あっ!忘れるとこだった!」

神楽は俺の鞄を抱えたまま自分の鞄を漁り出した。黙ってその様子を見ていると、鞄の中からピンク色の袋が出てきた。袋の口は赤いリボンで綺麗に括られている。

「高階、クリスマスプレゼント!」

「……なーにを言ってんだお前は?」

クリスマスなんて先月とっくに終わってるし、ちゃんとデートだって用意してやった。
それなのに何を今さら…

「高階は俺に服くれたのに俺は用意してなかったから……あれのお礼!」

「何?中身」

「カップケーキ作ろうと思ったんだけど……お味噌汁みたいになっちゃったから」

「待て。どうしたら味噌汁みたいになるんだよ」

「お店で買った手作りっぽいお菓子!はい!」

せっかく神楽が用意したものだから受け取ってやった。
コイツの考えることは本当よくわかんねぇ…

「高階は甘いもの好き?」

「まぁ、それなりにな」

「良かったー!カップケーキは簡単ですよって言ったのはね、市早くんなんだぁ」

「市早ぁ?」

昨日の出来事を思い出した。
あの時、この話をしてたのか…

「お姉さんが料理学校行ってるんだってー」

「へぇ……これ、俺が好きって言ったから赤にしたの?」

プレゼントのリボンを指差すと、神楽は嬉しそうに頷いた。

「赤と青が売ってたから迷ってたんだぁ」

「律儀なことしやがるな、お前…」

女ならまだしも、神楽は男だからこういうことしないと思ってた。
わざわざ自分で包装したのか。

「……神楽、ありがとな」

「えへへっ」

「今日は5回くらい抱いてやろうか?」

「えっ!?な、なんでそんな話に…」

神楽が顔を真っ赤にしてる。
相変わらず耐性のない奴だな…

「特別にいつもより優しくしてやるよ」

「だから、なんで今言うのさぁ…」

「今から家までの距離を欲情しながら歩くお前を見て楽しむため」

「た……高階の意地悪!」

どこまでもマイペースで、何を言い出すかわかんねぇ奴だ。
だけどコイツといると安心する。
もしかすると、成井神楽は俺にとって最高のパートナーなのかもしれない。

[*前へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!