神様の言う通り!
後編4
なに食わぬ顔で教室に戻る……というわけにはいかなかったけど、高階は「コイツの女装が面白かったから写真撮って遊んでた」という雑な嘘でごまかしていた。
バレないか心配だったけど、高階の巧みな話術で案外みんな信じていた。
俺だってクラスメイトだったら騙されていたと思う。さすが高階…
「成井くん、もうナース服脱いじゃうの?」
水沢さんの言葉に頷くと本当に残念そうな顔をされた。
「成井くん可愛かったのに……また見せてねっ」
う、本当に可愛い…
こんなに良い人に嫉妬なんてしてごめんなさい……神様。
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その後、文化祭は無事に終わって後夜祭。
案の定ミスコンの優勝者は高階と水沢さんに決まったんだけど、いざその時になると俺の心はそこまでザワザワしなかった。
俺がどんなにあがいても、高階は高階だもんなぁ…
ステージに上った2人を見てそんなことを考えていた。
「ところで、このミスコンで優勝した2人はカップルになるなんていうジンクスがありますが」
司会者の声に水沢さんが過剰反応する。
「えっ!?そんな、わたしそんなの、無理です!そんなつもりじゃあ」
「水沢、落ち着け。俺だってそんなつもりはねぇから」
2人のやりとりに全校生徒が笑い、少し残念そうな声もした。
俺だってそりゃあ、校内の美男美女にはカップルになってほしいけど…
でも、世界はそんなに綺麗じゃない。
「では、高階さんの好みのタイプとか聞いてもいいですか?」
司会者の言葉に高階が少し考え込んだ。
高階のことだから、また下ネタに持っていく気じゃないかなぁ。ハラハラするよー…
「……今の、彼女」
高階がそう言った瞬間、体育館に全校生徒の冷やかす声が響いた。
は、恥ずかしくて高階の顔を見られない…
「では、高階さん!恋人に向かって一言どうぞ」
チラリとステージ上に視線を戻すと、高階と目が合った。
高階、俺にどんなこと…
「今日の夜は、ちょっと激しくするつもりだから。楽しみにしてろよ?」
再び体育館が歓声で沸く。
あぁ、高階はやっぱり。
高階だなぁ…
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