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神様の言う通り!
後編4
なに食わぬ顔で教室に戻る……というわけにはいかなかったけど、高階は「コイツの女装が面白かったから写真撮って遊んでた」という雑な嘘でごまかしていた。

バレないか心配だったけど、高階の巧みな話術で案外みんな信じていた。
俺だってクラスメイトだったら騙されていたと思う。さすが高階…

「成井くん、もうナース服脱いじゃうの?」

水沢さんの言葉に頷くと本当に残念そうな顔をされた。

「成井くん可愛かったのに……また見せてねっ」

う、本当に可愛い…
こんなに良い人に嫉妬なんてしてごめんなさい……神様。

******************

その後、文化祭は無事に終わって後夜祭。
案の定ミスコンの優勝者は高階と水沢さんに決まったんだけど、いざその時になると俺の心はそこまでザワザワしなかった。

俺がどんなにあがいても、高階は高階だもんなぁ…

ステージに上った2人を見てそんなことを考えていた。

「ところで、このミスコンで優勝した2人はカップルになるなんていうジンクスがありますが」

司会者の声に水沢さんが過剰反応する。

「えっ!?そんな、わたしそんなの、無理です!そんなつもりじゃあ」

「水沢、落ち着け。俺だってそんなつもりはねぇから」

2人のやりとりに全校生徒が笑い、少し残念そうな声もした。
俺だってそりゃあ、校内の美男美女にはカップルになってほしいけど…

でも、世界はそんなに綺麗じゃない。

「では、高階さんの好みのタイプとか聞いてもいいですか?」

司会者の言葉に高階が少し考え込んだ。
高階のことだから、また下ネタに持っていく気じゃないかなぁ。ハラハラするよー…

「……今の、彼女」

高階がそう言った瞬間、体育館に全校生徒の冷やかす声が響いた。

は、恥ずかしくて高階の顔を見られない…

「では、高階さん!恋人に向かって一言どうぞ」

チラリとステージ上に視線を戻すと、高階と目が合った。
高階、俺にどんなこと…

「今日の夜は、ちょっと激しくするつもりだから。楽しみにしてろよ?」

再び体育館が歓声で沸く。

あぁ、高階はやっぱり。
高階だなぁ…

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