神様の言う通り!
----------
高階は、いつも口から出まかせばっかり喋ってる。
「ねぇねぇ、高階って今まで何人と付き合ったの?」
「んー……5千万人ぐらい」
高階は隣でテレビを観ながら、けだるそうに答えた。
放課後、高階の家に来ると大体エッチした後テレビを観る流れになってる。
「って、えぇっ!?5千万!?」
日本の人口が1億2千万だとして、そのうち女の人は約6千万…
「国民のほとんどじゃん!」
「おーすげぇな。俺って」
「……高階、嘘ついてる?」
高階が俺の首に手を回した。
引き寄せられて、一瞬唇が触れる。
「……当たり前だろ」
「なっ……なんで嘘つくのさー?」
「お前が変なこと訊くからだバカ」
なんで言いたくないのかなぁ…
別に言いふらしたりしないのに。
高階の頬を指でつついてみたけど、高階は「なんだよ?」と笑うだけ。そんなに俺、信用できないかなー?
「うぎゃ、もうこんな時間だ!」
「なんかあんのか?」
「今日の晩ごはん納豆カレーだから帰らないとー」
「すげぇ献立だな。お前ん家」
帰る準備をして、玄関まで高階に送ってもらった。
「気をつけて帰れよ?」
「うんっ。じゃあ明日ね」
高階の両親は今日もご不在だった。
ちゃんとご飯食べてるのかな?なんて考えながら駅のホームで電車を待っていると、急に後ろから肩を叩かれた。
「ごめん、ちょっと良い?」
振り返ると背の高い男の人が立っていた。同い年くらいかもしれないけど、眉にピアス開いてる…
痛い痛い痛い!
「あれ、聞こえてる?」
「はい!?なんでしょうか!」
眉ピアスの人がニコッと笑った。
「良かった。あのさ、そこのトイレでなんか人が倒れてんだよね」
「えっ!?」
「一緒に様子見てくれない?場合によっては救急車じゃん?でも俺携帯の電池切れてるし」
もう眉にピアスは痛いだろうとか吹っ飛んでしまった。もちろん頷いてその人と一緒に駅のトイレに向かった。
男子トイレに入ると眉ピアスさんが「一番奥の個室にいたんだけど…」って言ったから、俺は奥の個室を覗いてみた。
だけど、中には誰もいない。
念のため他の個室を見ても無人だった。
「い、いませんね……どこか行っちゃ…」
振り返った瞬間、俺はトイレの壁に向かって思いきり突き飛ばされた。
[次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!