神様の言う通り! ---------- 成井神楽は一応、俺の恋人である。 「高階ぁ帰ろー?」 「おーじゃあうち来るか?」 「やったー!」 コイツの一番の特徴は、とにかくバカだってことだ。いつだってヘラヘラして流されるままに生きている。 そういうところが、なんだか放っておけない。 「そうだっ、高階はさぁ赤と青だったらどっちが好き?」 うちに着いて部屋に入る。 すると神楽は開口一番こんなことを訊いた。 「うーん……赤」 適当に答えると神楽は「そっかー!」と嬉しそうだ。 「なんでそんなこと聞くんだよ?」 「えっとね、なんとなくー」 ……こういうところが、本当にバカっぽい。 ついていけない時もあるけど、可愛くも見えるから良しとしている。 「確かに高階は赤が似合うもんねー」 「俺は何色でも似合うだろうが」 「うんっ!でも高階はかっこよくて目立つから目立つ色が似合うかなぁって」 「……あっそう」 コイツの第二の特徴は、素直すぎることだ。 褒める時は褒めるし、嫌だと思ってる時は心から嫌な顔をする。 まぁ嘘がつけないってことで俺には都合が良いんだけど。 「神楽は?何色が好きなんだよ」 そう言いながら神楽の隣に密着して座った。途端に神楽の顔が赤くなる。 「えーっと……白とか好きかなぁ…」 「へー、神楽は白いものが好きなんだ」 真っ赤な顔で頷く神楽。 わかりやすいことこの上ない。 「神楽……キスマーク消えちゃったんだ?」 「うん、いつのまに…」 早く言えよコノヤローと思っていると、神楽が小さく呟いた。 「もう一回、つけてほしいなぁ…」 神楽の肩を抱いて首筋に吸い付いた。 すぐに赤い痕がつく。 「はい」と言うと神楽は明らかに不満そうな顔をした。期待通りすぎて逆におもしろい。 「なんだよ?何がしたいの」 「い、言えないよー!」 「言えって、ほら。セ?」 「セッ……って高階、わかってるんじゃんかぁ!」 コントか。 っつーくらいの軽いノリで、俺たちのセックスは始まる。 [次へ#] [戻る] |