神様の言う通り!
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「わかった!俺、高階に聞いてみる!」
聞けば何もかもわかるんだ!
昨日の女の人のことも、高階の気持ちも…
市早くんは少し口角を上げて「それがいいと思います」と言ってくれた。
「ありがとー!市早くんやっぱり俺の恋愛コンサルタントだった!」
「それは何よりです……成井さん?」
俺は足を止めた。市早くんが不思議そうに俺を振り返る。
「俺、高階のうち行ってくる!」
「今からですか?」
「え、うん…」
「それは……すばらしい行動力ですね。応援してます」
市早くんと別れて俺は踵を返した。
上手く言えるかな。泣かないように頑張らなくちゃ…
高階の部屋に明かりがついてない。
もしかして家にいないのかな?なんて思いながら、俺はチャイムを鳴らした。
インターホンの返事を待っていると、玄関のドアが開いて高階が直接出てきた。
「……神楽?どうした?」
「た、高階……あのね…」
高階がドアを閉めて門のところまで来てくれた。
言わなくちゃ、ちゃんと…
「き、昨日……見ちゃったんだ」
「何を?」
「高階のうちに……女の人が来るとこ」
高階はすぐにピンときたみたいで、「あぁ…」と呟いた。
「それで俺、不安になっちゃって……疑わないって約束破って、ごめんね…」
なんて言うかな。
なんて思ってるかな。高階…
「……俺も、悪かったな」
「え?」
どういう意味だろう?
まさか高階、もう俺のこと…
「なるべく友達とか……お前にも、言いたくなかったんだけど」
「うん…」
「あれ、うちの母親」
……えぇー?
どう見ても20代だったよー。
「お姉さんとかならまだしも、さすがにそれは…」
「いやマジだから。ちょっと入って来い」
高階が家の中に戻ってくから俺も後を追う。高階はいつもみたいに階段を上らずにリビングに直行した。
「榊、何して……あら、お友達?」
リビングにいたのは昨日の女の人に間違いなかった。だけど、間近で見てもやっぱり若い!
「まぁそんなもん……神楽、コイツだろ?昨日見たの」
小さく頷いて「あ、お邪魔してます…」と頭を下げると、高階のお母さん?は嬉しそうに俺たちの方に歩み寄ってきた。
「こんにちは、榊の母です。息子がいつもお世話になっています」
「こ、こちらこそ……成井神楽です…」
「うちの親、共働きでなかなか家にいないけど……マジでコイツ、母親だから」
えぇ…
高階の親がよく出張で帰ってこないのは知ってたけど。
お母さん、何歳で榊を産んだんだ!?
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