神様の言う通り!
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「神楽、おはよー」
「あ、北川おはよー」
高階と付き合うことになってから2ヶ月がたった。
傍から見たら何気ない日常……なのかもしれないけど、俺としては高階といるだけで毎日が楽しくて仕方ない。
「あれ、高階だ」
「えっ?」
北川が教室の後方を指差すと、確かに高階が座っていた。
いつも通りたくさんの男女に囲まれて楽しそうだ。
「高階がこんな早く学校来てるなんて珍しいな」
「そ……そうだね。いっつもギリギリなのにね?」
俺と高階の関係を知ってか知らずか、北川はこんなことを言う。
俺は北川のことフったわけだしなんとなく言いづらかったんだけど、親友に隠し事は嫌だしそろそろ言おうかな…
「あのさぁ、北川…」
「そういえば、そろそろクリスマスじゃん」
「……うん」
見事にかきけされた。俺の声…
確かにもうすぐだけど。
「神楽は高階とどっか行くの?」
「えっ!?あ……うん…」
「やっぱそうだよなぁ」
あれ……知ってたの?
そうなんだ。相変わらず能天気なのは俺だけで、周りはちゃんと気付くものなんだなぁ…
さすがに他のクラスメイトにはバレてないだろうけど。
「で、どこ行くの?」
「……どこ行くんだろうね?」
そういえば一回もクリスマスの話してくれないな。
「一緒に過ごそうね」って約束したのに……まさか高階忘れてる?
「神楽はどこか行きたいとこないの?高階に言えばいいじゃん」
「……別に、ないかな…」
高階が忘れてるならそれはそれで別にいいけど。
ちょっと寂しいな…
北川とクリスマスの話をしていたら、担任のなっちゃん先生が来てHRが始まった。
「今日は休み多いなー。風邪には気を付けろよ?もうすぐクリスマスだし」
うきゃー!
なっちゃん先生まで!
「なっちゃん何して過ごすのー?」
「仕事に決まってんだろー」
クラスに笑いが起こる。
高階、今の聞いてたかな…
お昼ご飯を渡す時、「クリスマスのこと考えてる?」って聞こうとしたけどダメだった。
そんでそのまま放課後になって、俺はいつも通り高階の鞄を持つ。
「じゃあ帰るか……神楽?」
高階の家に向かう間も、気になり出したら止まらない…
なんで忘れちゃうのさー!?
高階のバカ!
「何だよそのかわいくねぇ顔は。なんかあったのか?」
「別に、なんもないけど…」
「あっそう。口に出さねぇことはわかってやれねぇからな?」
「……本当になんでもないもんっ」
高階が高階のクセに正論を言う…
だって俺だけ楽しみにしてて、バカみたいじゃんか…
「……神楽、うち来るか?」
「え、いいの?」
「アイス買って行こうぜ。お前、好きだろ?」
「好きー!」
高階はやっぱり優しい。
途中でコンビニに寄って、俺は高階の家にお邪魔した。
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