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神様の言う通り!
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高階の後を追って自室に入ると、高階がクローゼットを物色していた。

「な、何してるのさー?」

「女装用の服はどこにあんの?」

「奥の方にしまってあるのー!」

一体、何しにきたんだろ?
学校休んだこと怒られるのかなぁ……?

「……お前に、話しておきたいんだけど」

急に高階が真面目な顔になった。
俺は「何を?」と返す。

「ヒナのこととか、いろいろ」

「……え?」

「とりあえず全部、わかっといてほしいから…」

高階は俺のベッドに勝手に腰かけて、ヒナさんとの過去を語り始めた。
妊娠を聞いた時のショックや、何も言えないままお別れしたこと、浮気が癖になったこと…
本当は短かったと思うけど、俺にはとても長く思える話だった。

高階の二年間の辛い思いが、ずっしりと伝わってくる。
初めて、高階の本音が聞けたな…

「でも、今日……決めたんだ」

「何を?」

「いつかヒナに会って、けじめをつけるって」

「……そう、なんだ」

なんでわざわざそんな話するんだろう。
もしかして…

「高階は……ヒナさんのこと、まだ好きなの?」

「……はぁ?何言って…」

「だって……ヒナさんに会って……もう一回、やり直すってことじゃ…」

だから俺とは付き合えないって、そう言いに来たんだ…
そう思ったら急に悲しみが込み上げてきた。

涙が出ないように下を向いてこらえていると、高階が俺の手をぎゅっと握った。

「神楽……そうじゃねぇよ。人の話は最後まで聞きなさい」

「だ、だって…」

「ヒナのことはもうなんとも思ってねぇよ……けじめをつけたいだけなんだって。だから…」

「だから?」

「……その時まで待ってろ。そしたら、お前の気持ちをちゃんと受け止めてやるから」

高階が俺の気持ちを…
それって、告白を受けてくれるってこと?

「ほ……本当に?」

「俺が今まで嘘ついたことあるか?」

「確かじゃないけど……あると思う…」

高階はばつが悪そうな顔をして、俺の頭をポンと叩いた。
高階の手は、やっぱりあったかい…

「……一応言っとくけど」

「なーに?高階…」

「その時お前が俺のこと好きじゃなくなってたら、それはそれでいいからな」

高階は苦笑いでそう言った。
それは、そうだけど…

「俺のこと、信用してないの?」

「そういうわけじゃねぇけど」

そうじゃんか…
わかってるよ。高階はヒナさんの件以来、そういうのが信じられなくなってるって、わかってるけどさ…

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