[携帯モード] [URL送信]

神様の言う通り!
----------
「っていうかさぁ、なんで服着てないの?」

高階の部屋に入って、俺はとりあえずベッドの上に腰をおろした。

聞こう聞こうと思ってたけど、高階は上半身裸で下もボクサーパンツ一枚という何とも恥ずべき格好をしてるんだ。
いや恥ずべき格好なのはむしろ俺の方だけど…

「……本番直前で、フられたから」

ベッドの上の服を着ながら高階が答える。フられたって…

「……えっ彼女来てたの?っていうか、別れたの!?なんで?」

「浮気したから」

高階のしれっとした答えに、俺は拍子抜けした。
わぁ、浮気性ってやっぱり本当なんだ…

「本番直前って……?」

「はぁ?わかんねぇのかよ、女の服を脱がせて、股を…」

「わ、わかった!!もうわかった!!」

す、すごい場面で浮気発覚したんだな…
服を脱いでるってことは、さっきまでここで高階と彼女が…

「う、きゃああっ!!」

自分が今ベッドに座ってることを思い出して、慌てて飛び上がる。
高階は怪訝な顔で俺を見つめていた。

「はっ早く、プリント!!」

「あぁ、ちゃんとやっとけよ?」

高階は学生カバンから5枚目のプリントを取り出した。

「あ、ありがと…」

……なんで俺が宿題やってあげるのにお礼言わなくちゃいけないんだ…
でも高階ってこっちが悪いって思わせる力がある。魔法使いかな……?

とにかく、もう高階に用はないし、早く帰って宿題やらなくちゃ…

「かーぐら」

部屋の出口に向かって歩きだすと、高階が急に肩を掴んできた。
肩をびくつかせて振り返ると、体ごと一気に後ろに引っ張られた。

「た、かっ……!?」

……えぇと…

なんだろうこの感触は。
唇に、なんか、柔らか…

……高階?

「……ん、んぅっ!?」

キスされてるー!?
ありったけの力で高階の体を引き離す。
高階は悪気0の顔で俺を見つめた。

「な……な!?……なっ…」

たぶん俺は「何するんだ」って言いたいんだと思う。
だけど頭がぐるぐるして言葉にならない。

しばらく口をパクパクさせていると、再び高階に肩を掴まれた。

あ、もう一回される…
急いで高階の体を突き飛ばそうとしたけど、間一髪間に合わなかった。

「ん……ふ、うっ…」

驚いてる間に高階の舌が俺の舌を捕らえる。
口の自由を封じられて、すぐに呼吸が苦しくなった。

い……い、やだっ!!

「……ってぇ…」

高階の口が離れて、俺は大量の酸素を吸い込むことに成功した。
見ると、噛まれた唇を触って俺を睨む高階。

「ど……どうしちゃったの?高階!!」

「……ムラムラしてたから」

あぁ、そりゃそうだろうな。本番直前で彼女にフられて……じゃなくて!!

「そ、それでも……俺は男だよっ?」

……わかってると思うけど…
自分が着ているスカートを見つめながらそう呟くと、高階に鼻で笑われた。

「な……何?」

「わかってるぜ?神楽、お前は男だ。そんで……俺の奴隷だ」

だからお前に、断る権利なんかねぇんだよ…

高階のその言葉に、背筋が凍る。

どうやら高階の命令は、お昼と荷物持ち、それから宿題……だけじゃないのかもしれない。

「俺がなんか、間違ったこと言ってるか?」

「……い、いや……高階の、言う通り……です…」

「何回も言わせんな。榊様と呼べ」

「……榊様の、言う通りです…」

どうなる、俺の高校生活。

[*前へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!