神様の言う通り!
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誰かを裏切るたびに、安心するんだ。
ヒナの勘違いを現実にすれば、俺もアイツも救われる気がして。
『好きになる人は一人で充分だもん』
俺は、神楽みたいに思えない…
「た、高階っ」
「……北川、どうした?」
「なる……神楽が、休みなんだけど理由知らないか?」
「……知らん」
北川は不満そうな顔をしてそのまま俺の元を去っていった。
神楽、学校来てないのか…
昨日別れ際に「また明日な」って言ったら、アイツ頷いたのに。
ふと昨日の会話が脳裏に浮かぶ。
『次の彼女は俺にしてよ!』
『本気で言ってんのか?』
原因はあれなのか?
なっちゃん先生に聞きに行ったら、一応「風邪」って連絡は受けたらしい。嘘くせぇ。
やっぱ俺のこと、避けてんのかな…
本当は、最近アイツのことすげぇ可愛いって思ってた。親友に告白されたくらいであんなに悩むところとか、屈託のない笑顔とか。
何より、抱いたら気持ち良かったし。
「付き合ってやろうかな?」って一瞬考えたけど、ダメだった。俺は相手が神楽だろうが絶対浮気する。
それは俺にとって義務みたいな、癖みたいな、償いみたいなものだ。
『俺が浮気したら、お前泣くだろ?』
どうしてもアイツの泣いた顔は見たくなかった。
なんでって、どことなくヒナに似てるんだ。
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