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神様の言う通り!
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うちの前まで来ても涙が止まらなかった。
お母さんに見られたら恥ずかしいし、泣き止まなきゃ…

玄関の前で涙を拭いていると、後ろからハル兄ちゃんの声がした。

「神楽!?どうした?」

「ハル兄ちゃん…」

「なんかあったのか?うち来いよ」

お母さんに見られるくらいならまだハル兄ちゃんといた方がいい。
俺はお言葉に甘えてハル兄ちゃんの部屋にお邪魔した。
ハル兄ちゃんのお母さんは買い物に行ってるらしい。

「んで神楽、なんで泣いてたの?」

部屋の真ん中に座るなりハル兄ちゃんが尋ねてきた。
そんな直球で聞かなくても…

「……失恋したのっ」

「えっ、神楽好きな人いたの?」

「うーん……一応」

なんだか気が抜けて、俺は部屋の真ん中に寝転がった。するとハル兄ちゃんも隣に寝転ぶ。
あーあ、スーツしわくちゃになる…

「神楽、元気出しな?」

ハル兄ちゃんが寝転がったまま俺の頭を優しく撫でてくれた。
昔もよくこうされてたなぁ……懐かしい。

「すぐに忘れられるよ、そんな奴」

「……そうかな」

そういうものかなぁ。
高階がわざと浮気してるんなら、俺がやめさせてあげたかったなぁ…

「神楽、こっち向いて」

「ん?なん…」

寝転んだままハル兄ちゃんの方に顔を向けた瞬間、唇を奪われた。
俺は急いでハル兄ちゃんの体を突き放す。

「なっ!?なんで…」

「神楽……キス、嫌?」

「や、やだ……さっきの忘れちゃうもん!」

「さっきキスしたの?そいつと」

反対側に体を背けて頷いた。
するとハル兄ちゃんが急に後ろから抱き締めてきて、俺の股間に手を伸ばす。

「やっ!?何、ハル兄ちゃ…」

「忘れさせてあげるから、じっとして」

「やだっ!!いやだってば…」

振り返ろうとしてるのに、案外強い力で拘束されてるらしく身動きがとれない。
ハル兄ちゃんはそのまま下着の中に手を差し込んできた。

「やだ、触っちゃダメ…」

「大丈夫だよ、神楽……気持ちよくしてあげるだけ」

「や……あ、あっ!!」

嫌だ。なんでハル兄ちゃんは、急にこんなこと…

「神楽、可愛い……好きだよ」

「え……?あ、んっ…」

好き?ハル兄ちゃんが俺を?
嘘だ、そんなの今まで…

「ずっと我慢してたんだから、神楽もちょっとは我慢してね」

ハル兄ちゃんは今まで見たことないくらい怖い声で言う。

高階、助けて。

なんて言ったら、高階に「奴隷の分際で調子に乗るな」とか言われちゃうのかな…

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あきゅろす。
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