神様の言う通り!
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「かーぐら、帰るぞ」
一昨日は、とんでもないこと聞いちゃったなぁ…
高階にあんな過去があったなんて。
彼女が浮気相手との子を妊娠……しかも自分が浮気したって勘違いされて。
ダメだ。俺には想像できない!
「なんだよ?ジロジロ見て」
「……だって…」
「俺がカッコいいのは今に始まったことじゃねぇだろ?見とれんな」
何も返さずにいると、高階は不思議そうに俺の顔を見た。
「……あ、お前一昨日のこと思い出して欲情してんだろ?」
「なっ!?ち、違うよー!」
「お前相当よがってたもんなぁ」
「高階のバカー!!」
なんでこう意地悪なことを言うのかなぁー!
昨日の話を聞いて、俺は高階はやっぱり優しい人だったなって嬉しかったのに…
高階の鞄を抱えて廊下を歩く。すると目の前のカップルがクリスマスの予定で盛り上がっていた。
まだまだ先なのになぁ…
「うるせぇなー……神楽、殴ってこい」
「ちょっと聞こえたらどうするの!だいたい、自分だって彼女いたじゃん…」
「今はいねぇんだよ……どっかに良い女落ちてねぇかなぁ」
「高階……本当にそう思ってる?」
「当たり前だろー?」
うーん……高階ってやっぱり演技してるのかも。市早くんもそんなこと言ってたし…
「そういえば高階、おとといお父さんとお母さん帰ってきたの?俺が帰る時もいなかったけど…」
「昨日どころか今日も帰ってこねぇよ。戻るのは来週」
「えーっ出張かなんか?」
かわいそうだなー。高階は来週まで独りぼっちなんだ!寂しくないのかな?
「……俺、今日も高階のおうち行きたい!」
高階は目を丸くしたかと思うと、ニヤリと笑った。
「別にいいけど……お前やっぱ俺としたいんだ?」
「え、違うよー!高階が一人でかわいそうだなって…」
「言い訳すんなよ。俺の虜になったってことだろ?」
俺は純粋に、そう思っただけなのに…
高階のバカー!
「お邪魔しまーすっ」
まぁ、結局来たんだけど…
だって高階かわいそうだし、高階の部屋居心地いいし。
物がちょっと少なすぎるけど。
「ゲームとかないのー?」
「ねぇよ」
「えぇ……じゃあ何する?」
「そうだなぁ……何してもらおうか」
え、高階絶対変なこと企んでる。
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