神様の言う通り!
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しばらく高階と話をしていたら店の外にさっきのカップルが見えた。天宮さんとスミレさんだ!
「すいませーん!俺の大事な定期入れを拾ってくれたそうで」
「ごめんなさい、本当に…」
二人は店に入るなり頻りに謝ってきた。天宮さんに定期を渡したら思いのほか感激してる。
「いや、これ彼女からのプレゼントですげぇ大事にしてたんだよね」
「大事にしてんなら落とすなよ…」
「本当だよ!今度落としたら一生プレゼントなんてあげないからね!」
高階とスミレさんは呆れてた。
「榊もありがとうな!久々に会えたことだし、今度みんなで遊ぼうぜ」
「暇があったらな」
「榊に会いたがってる奴いっぱいいるからさ、ぱーっとやろうな!」
「わかったって……神楽、電車まだあるよな?」
「うん。全然あるよー大丈夫!」
「お前ら、神楽を駅まで送ってやって」
高階は天宮さんとスミレさんにそう言うと、早々とコンビニを出ていってしまった。
久々の再会なんだからもっと話せば良かったのに……俺に気遣ってくれたのかなぁ?
「あ、じゃあ行こうか…」
残された天宮さんとスミレさんと俺もコンビニを出た。ちなみに、その前に俺はお礼にってお菓子をたくさん買ってもらった!嬉しい。
「本当にこんなお礼でいいの?」
「いいですよーお菓子好きだしっ」
駅までの夜道を3人で歩く。
ふいに、天宮さんが口を開いた。
「神楽さんは、榊の彼女?」
「か……彼女!?」
彼氏さんの言葉にレジ袋を落としそうになった。なんで俺が…
……そうか。俺、女装してるんだった。あれ?今さらだけど、もしかして二人とも俺のこと女の子だと思ってる?
「か、彼女じゃないですから……クラスメイトです」
今さら男ってバレたら恥ずかしいから、なるべく声が低くならないように心がけた。ホント今さらだけど…
すると天宮さんは残念そうにため息をついた。
「そっか……アイツやっぱりあれから彼女作ってねぇのかな…」
「……あれからって?」
あれ、二人が少し気まずそうな顔をした。
聞いちゃいけなかったかな……?
「いや、なんでもないよ」
いや、なんでもないことはないだろう。
もしかして高階の中学時代に何かあったんじゃあ…
「……あのさ、高階はどうして二人と同じ附属高校に進まなかったの?」
俺の質問はやっぱり的を射ていたらしく、また気まずそうな顔になった。
「なんかあったなら……知りたい!」
「……実は…」
天宮さんが小さく呟く。
「高階は何故浮気するのか」という謎の答えを、やっと手にすることができる!のかな。
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