神様の言う通り!
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球技大会から2週間が経った。高階の優しい一面を見たあの日から、俺は高階の奴隷がさほど嫌じゃなくなっていた。
「もしもし、高階?」
そんな、ある土曜日の夜。
『神楽、変態女装癖のお前にご主人様から命令だ』
「……なーに?」
まぁ、普段の皮肉は相変わらずなんだけど…
しかも休日出勤?
『コーラ買ってこい。あとアイス』
「また?高階アイス好きだねぇ」
『走って来いよー。足のリハビリになるだろ?あ、もちろん女装な』
それだけ言って高階は電話を切ってしまった。
それにしても、怪我してから一週間経つのに高階まだ覚えててくれてるんだなぁ。こういうところは優しいのに…
先週買った流行色のスカートを履いて、高階の家に向かった。途中でちゃんとコーラとアイスも買ったし、高階喜んでくれるといいなー。
「高階っ買ってきたよー」
「よくできたな」
高階はいつも通り半裸で、ベッドの上でくつろいでいた。俺はレジ袋ごと買ってきたものを渡す。
「なんでアイス2個あんの?」
「あっ、それは俺の分!」
勝手にテレビの前に座ると、高階は「別にいいけど」と言ってアイスを渡してくれた。
「あー高階このドラマ観てたんだ?」
テレビで放送してるのは今、大人気の恋愛ドラマ。俺も気になってたんだけど、なんだかんだ観てないんだよね。
「いや、適当に流してるだけだけど……おもしれぇの?」
「北川は面白いって言ってたよー」
「ふーん。お前らよく仲良くできんなぁ」
あ、なんかバカにされてる?高階のおかげで円満にお断りできたんだけど…
なんて考えつつアイスを食べ終えてドラマを見ていたら、高階がふいに話しかけてきた。
「なぁ、神楽」
「何ー?」
「セックスしねぇ?」
「……へ?」
思わず振り返って高階の顔を見た。高階は何食わぬ顔でコーラを飲んでる。
「な、何を言ってるの?」
「なんか今日のお前なら抱けそう」
「別にいいよ抱かなくて!!」
高階がとうとう壊れた!?男同士でエッチなんて……そりゃ、できるらしいけど…
とか考えてる間に高階がベッドから降りてこっちに近づいてきた。
「い、嫌だ!!遠慮しとく!!」
「なんで」
「えーと、舐めるのもそうだけどさ、さすがにエッチは彼女に悪いし…」
「大丈夫。昨日別れたから」
えー!?
球技大会のあと告白してきた下級生の子と付き合ったって聞いたけど、もう破局したんだ。
「また浮気してフラれたの?」
「ほっとけ」
「ぎゃー!!何するのー!?」
高階がいきなりスカートをめくってため息をついた。
「あー……下着は女もんじゃねぇんだ」
「当たり前じゃん!」
「まぁいいや。脱げ脱げ」
脱げじゃない!!
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