神様の言う通り!
----------
バレーボールはうちのクラスが見事勝利した。市早くん結構活躍してたけど、なっちゃん先生見てたかな?
そしていよいよ……サッカーだ。
「かーぐら」
「高階、なに?」
「榊様な……お前、足引っ張んなよ?」
「う……頑張る…」
高階はサッカー得意なんだっけ。
高階に「北川にはボールを回さないでね」って言っておこうかな…
いや、それは卑怯か。
俺と北川と高階、他8人がそれぞれ位置について、試合が始まった。
「榊ーっ」
早速ボールは高階の元に渡った。その後もどんどんシュートを打ってる。
高階にこんな一面あったんだ!?って思うくらい、今日の高階は爽やかスポーツマンだ。
あんな速く走れるんだなぁ……とか思いながら、俺は邪魔にならない位置でちょこまかしてた。
「前半終了ーっ」
結局前半は高階が2点決めた。
北川も数回シュートを打ったんだけど、残念ながら?キーパーに止められちゃってた。
「高階すごいねぇー」
「……お前、いた?」
「いたよ!端っこの方に…」
「成井!」
振り返ると真っ赤な顔の北川。
「どうしたの?北川…」
「こ、後半も頑張るから…」
そう言って北川はグラウンドに戻ってく。
頑張ってほしいけど、得点されたらそれもそれで困るなぁ…
「どうすんだ?後半でアイツが決めたら」
「どうしようか?」
「……能天気だな、神楽は」
俺の頭を軽く叩いて高階もグラウンドに戻った。
神様榊様、北川が得点しませんように。
……おれ高階のことヒドイ奴って思ってたけど、こんなこと思ってる俺の方がよっぽどヒドイな…
そして、後半が始まる。
後半も相変わらず高階が活躍していたし、俺はちょこまかしていた。
うちのクラスが一点追加して、相手も一点入れた。これで3‐1だ。
あと数分だし、このまま終わるのかなぁ……なんて思っていたその時。
まさかの俺にボールが向かってきた。
「成井ーっパス!」
チームメイトが口々に叫ぶ。
えぇっ俺!?
これを一旦止めて、誰かにパスすればいいんだよね?うわ、相手に取られたらどうしよう…
とりあえず走ってボールを止めた。
誰に渡そうかとキョロキョロしていると、相手チームの一人がこっちに走ってくる。
やばいー!!とにかく蹴らなきゃ…
「成井っこっち!!」
声がする方を頼りに必死で足を上げると、相手チームの人もボールを蹴ろうと足を出してきた。
「うぎゃあっ!」
なんとかボールは蹴れたものの、相手チームの人の足と俺の足がもつれて俺は盛大に転んでしまった。
うぅ、カッコ悪すぎる…
「やべ、ごめんなっ」
相手チームの人は謝ると、またボールを追いかけて走っていった。
思ったより痛い……けど、俺のパスは成功したんだろうか?
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!