神様の言う通り!
----------
北川とは友達のままでいよう!
……って決めた翌日。俺は高階にお昼ご飯を渡して北川と屋上に行った。
誰もいないのを確認して、北川と向かい合う。
「屋上で食べるなんて初めてだよな」
「そうだねっ」
改めて注意すると、確かに北川は無理してるのかもしれない。あの日俺が告白をはぐらかしてからずっと、こんな感じだったんだな…
でも、ちゃんと正直に言うんだ!
勇気を出そう!言うぞ!
「成井、あのさぁ」
「えっ!?」
先手を打たれた!
まぁいいか。この話の後に言おう…
「もうすぐ球技大会だろ?俺も成井もサッカーじゃん」
「うん、そうだねぇ」
「俺が一点でも決めたら、俺と付き合うってやつオーケーしてほしいんだ」
北川の頼みに思わず言葉を失った。俺、今からそれ断ろうと思ってたんだけど…
北川は北川なりにケリをつけようといろいろ考えてたみたいだ。
「成井、それでいいか?」
「えっ……う、ん」
こんな言い方されて、断れるわけなし。北川がシュート決めちゃったら俺、北川と付き合うの?
「良かった……俺がんばるから。じゃあ昼ご飯食べようか」
「う、うん…」
なぜ、こうなる!?
「北川が得点したら付き合う?」
その日の帰り、高階に今日のことを報告したら案の定バカにされた。
「お前が早く決めねぇからそういうことになるんだろー?」
「そうだけどーそうなんだけどー!」
まさかそんな賭けを持ち出してくるなんて思わないじゃんか。やっと答え出したのにさ…
「高階だったらどうする?」
「まぁ……北川がゴールしなきゃ済む話だし、されたらされた時に考えれば」
「……そうだよね」
とにかく俺は結果を待つしかないんだよなぁ。
それまではなんも考えないようにしよう!
高階のうちが近づいてきたので「聞いてくれてありがとうねー」と言うと、高階はニヤリと笑った。
「お前にはお前なりの礼の仕方があるだろ?」
「……久々にタカシナ語だ!」
「なんなんだよそれ」
嫌な予感を引きずったまま高階のうちに連れてこられた。
高階は部屋に入った途端、躊躇なく制服を脱ぎ始める。
「何をしよるか高階!?」
「なんなんだお前の喋り方は」
部屋着に着替えるのかな?とか考えてるうちに高階は下も脱いでいく。
「……高階、俺なんで呼ばれたの?」
「今わからせてやるって」
……やっぱり、嫌な予感。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!