神様の言う通り! ---------- 「いっただきまーす」 いつも通りの、お昼の時間。 北川と楽しく昼食をとっていた。 「そういえば、五限のLHR球技大会の実行委員決めるらしいよ」 「うっ、もうそんな季節なんだ…」 球技大会なんてすっかり忘れてた。 去年と同じように、今年も迷惑かけないように注意しなくちゃなぁ。 北川と球技大会について話していると、急に後頭部を小突かれた。 「いたーい!!」 「大袈裟だな……神楽」 後ろにいたのは高階だった。さっきお昼ご飯は買って渡したのに… 「俺今日の昼飯代、払ってなかったよな?」 「あ、うん……たまには奢ってあげようかと思ってー」 「それはまた今度な……ほら」 高階がパン代の小銭をくれた。 律儀だなぁ。女の子との関係もあれくらい律儀だったら… 「……成井」 「えっ何?」 北川の声に振り返ると、北川はしばらく黙って「やっぱりなんでもない」と呟いた。 なんだったんだろう… ……そういえば、北川から告白されてどれくらい経ったっけ。もう2週間くらい経ったかな? もしかすると北川は痺れを切らしてるのかもしれない。 でも、結論出ないしなぁ… 「はい、クジ開くー。当たりの奴は前、出るー」 「やーだー!!」 「はい、成井神楽前、出るー」 そして、五限。 実行委員なんて絶対向いてないのに、なんなんだ俺のクジ運!! 「後は……市早耕一ね。お前ら二人は球技大会実行委員!!がんばれ!!」 ちなみにウチのクラスの担任、なっちゃん先生は何事にも無関心ですごく有名。だから行事も生徒に丸投げする。 「なっちゃんのバカー!!」 「先生は悪くないぞー悪いのは成井のクジ運」 ……しかも、市早くんとなんてなぁ。 隣に立ってる市早くんを見ると、市早くんもやっぱり嫌そうな顔だった。そりゃそうだよね。なっちゃん先生は忘れてるだろうけど、市早くんって学級委員も務めてるし… 「まぁみんなの出場種目決めるのと2、3回放課後の会議に出るだけだからな。しっかりやれよ」 「それが面倒なんじゃんかぁー」 「あ、今出場種目決めてもいいぞ?」 なっちゃん先生は早くも我、関せずの態度を見せてる。どうしよう……と困っていると、市早くんが助けてくれた。 「じゃあ決めましょう。成井さん、書記お願いしてもいいですか」 「……わ、わかった!!」 良い人だー!! 市早くんって実はすごく優しい!? 「種目言っていくので希望者は手を挙げてください」 「あたし絶対バレーが良いんだけど!」 「いやどれも嫌だろー」 みんながだんだんと騒ぎだす。 市早くん頼もしいし、楽しい球技大会になるといいな… [*前へ][次へ#] [戻る] |