神様の言う通り!
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「……た」
高階……この数十秒の間に何があったらそうなるんだ!!
女の子は俺に気づいて「きゃっ」と可愛い叫び声をあげて立ち上がったかと思うと、俺と目を合わせないように屋上を出ていってしまった。
うわわ、すごくマズイことをしてしまった気がする。
「なんだよ?神楽」
「え……えーと…」
「わざわざ覗きに来たのか?やっぱお前趣味わりぃな」
「ち、ちがうよー…」
キスシーンを見られたっていうのに、なんでそんなに冷静なのさー!?
なんか俺の方が気まずい気持ちになってきたよ…
「……神楽」
「え?なに?」
高階はニヤリと笑って手招きしてきたので、近くに行ってしゃがみこむ。すると、急に高階が俺の体を押し倒してきた。
「いっ……!!」
後頭部を強く打ちつけた。
痛いよ高階ー!!俺、死んじゃうとこだった…
「って、何ー!?ちょっとやめて、高階」
「邪魔したお詫びに、お前が相手しろ」
「えっ!?何を?キスの?」
「それ以外なにがあんだよ?その先もしてほしいならしてやるけど、お前ってやっぱソッチの人間?」
「高階何語しゃべってんの!?タカシナ語!?」
やばい、高階の顔って下から見るといつもの5倍こわい!!
ジタバタもがいても高階はどいてくれない。もうキスは嫌だー…
「成井!!」
声がしたのでそっちに視線を動かすと、北川の姿が見えた。あれ!?先に教室帰っててもらったハズなのに…
「成井……まさか、高階と……?」
なんでそうなる!?……いや、そうなるかぁ。俺、高階に押し倒されてるんだもんな。
「違うよー北川、これは誤解で…」
「やめてくれ……もう、わかったよ!!」
……大変だ!!北川が誤解したまま屋上を出ていってしまった。どうしよう…
「ていうか高階、そろそろどいて?」
「高階のせいで誤解されちゃったよー!!」って言ったけど、高階は『それがどうした』的な顔で全然謝ってくれなかった。
「それよりお前、何回『高階』って呼んでんだ?榊様だって言ったろ」
人の友情ぶち壊しといて、『それより』はないだろー。
「……あ、榊様ぁ今日遊ぶ約束しちゃったから鞄持ちしなくていい?」
「却下」
「なんでー!?」
「遊ぶって、北川と?だったら今のでなくなったんじゃね?」
「……あっ、そーかぁ」
「あっそーかぁじゃねぇよ…」
どうすれば、北川わかってくれるかなぁ?
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