[携帯モード] [URL送信]

Star Struxxx.
レイ。
“俺、赤坂さんのこと好きだから……赤坂さんに嫌がられたくないし”

“お前はどうしたいのか赤坂にちゃんと言えば?”

世の中のヘタレがみんな同じ原理なら、コイツだって例外じゃないんだろう。
今さら自意識過剰だとか言われても、別にかまわない。

「玲、明日何時に起こせばいい?」

そう尋ねながら湊が席を立つ。どうやら今日も先に寝るつもりらしい。

「……お前さ」

「な、何?」

「俺のこと好きすぎて、遠慮してんの?」

湊は質問の意味がわからないようで、ただ瞬きするばかり。

「まぁ言いたくねぇならいいけど……お前、変わったよな」

俺も自分の部屋に行こうとしたその時、後ろから湊に肩を掴まれた。
振り向くと、いつもより少し真剣な湊の顔。

「なんだよ?」

「……俺ね、ずっと玲のこと押し倒したかった…」

「ば…」

バカなのか?コイツは。
なんでこう極端なことしか…

「でも……あのね、町屋さんのことがあってから、玲に嫌われるのが異常に怖くなっちゃって…」

あぁ……やっぱりコイツも知尋と同類だったか。
だから最近ヒビって「一緒に寝よう」も言えなくなってたって、そういうことだろ。

「しかも玲、昨日『別れよう』って言ったらどうするかとか訊くし…」

「あれは別に、そういう意味じゃ…」

「でも、やっぱり玲としたい!!玲のこと好きって、たくさん伝えられるから…」

湊の目はますます真剣になってきた。
コイツこうやって見ると本当かっこいいよな…

ふざけたこと言われたら殴ってやろうと思ってたけど、湊があまりに必死な顔つきだからそれもできない。
黙ってる間に、湊が近づいてきて目を閉じた。

「み…」



「……玲、好き」

唇を少し離して、湊が呟く。
なんでコイツは言い飽きねぇんだ?
……まぁ、いいか。

「俺も、好きだよ」

「……れ、い…」

俺だって、言わなきゃ伝わんねぇもんな…

「玲…」

「なんだよ何回も呼ぶな」

「だって……えっと…」

本当、情けねぇヤツだな。
今こそいつものウザったさを発揮すればいいのに。

「押し倒せば?そうしたかったんだろ」

「えっ……それは、そうだけど……嫌じゃない?蹴り飛ばしたりしない?」

「それは約束できねぇけど」

「えぇ…」

「じゃあ俺、寝るわ」

「待って待って待って!!それはやだ!!」

今は、これくらいでいいか。
こういうところも湊の魅力だって思えたら、コイツのことをもっと好きになれるかもしれない…
少しは、可能性が見えるから。

「玲、本当に良いの?俺、押し倒すよ?」

「うるせぇなー宣言してる時点でどうなんだよそれ」

「だってなんか、玲の華奢な体を潰してしまいそうで…」

「殺すぞ」

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!