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Star Struxxx.
レイ。
その日はバイトじゃなかったけど、知尋が心配だったしシフトも見たいしってことで、バイト先に顔を出した。

「知尋、お疲れ」

「あっ玲さん!!」

知尋は昨日よりかは元気そうだ。
夕方であまり混んでないのを良いことに、俺たちは少し話をした。

「赤坂には、なんか連絡とかしたのか?」

「いや、そんな……できるわけないです」

「なんでだよ?未練あるんだろ?」

俺だったら、言われるがままフラれるなんて腹の虫がおさまらないけど…
知尋はそうじゃないらしい。

「良いんです。俺、赤坂さんのこと好きだから……赤坂さんに嫌がられたくないし」

「知尋…」

「俺は、赤坂さんの幸せを願います。絶対、その好きな人と幸せになってほしいなって…」

……いやいや。それはねぇだろ。
湊は、毎日うわごとのように『玲と付き合えて幸せ』とか『玲以外ありえない!』とか言ってくる。
『それ俺の恋人で、俺一筋だから無理だぞ』とか言うか?いやいや、俺すげぇ性悪じゃん…

「玲さん?」

「いや……お前さ、そんな簡単に諦めねぇ方がいいんじゃねぇの?」

「え?」

「確かに、相手のこと思うのも大事だけど……本当に好きなら自分の気持ちも大事にしろよ」

「……玲さん」

「お前はどうしたいのか赤坂にちゃんと言えば?」

咄嗟の言葉ながら、なかなか良いことを言ってしまった。
知尋は泣きそうな顔で「ありがとうございます…」と言った。

「俺なんかのために、そこまで言ってくれるなんて…」

「大袈裟だな」

「俺、もう一回赤坂さんに会いに行こうと思います!!」

そうだよな。そうするべき。俺だったらそうする。
後悔する前に、ちゃんと口に出した方が…
って、それは俺も同じなのか?

「玲さんって堂々としてて、男らしくてかっこいいですよね!!」

知尋が湊と全く同じことを言うから、思わず笑ってしまった。

「そんなことねぇよ……俺も言えねぇこととかあるし」

「恋人に、ですか?」

「……まぁ」

「玲さんの恋人、会ってみたいです!!」

知尋は満面の笑み。
いや、それはたぶん、だいぶ先のことになりそうだな…

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