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Star Struxxx.
チヒロ。
「知尋…」

その日、俺は恋人の家に初めてお邪魔して、恋人と初めてのキスをした。まさにその瞬間は幸せの絶頂で、俺はこの幸せがいつまでも続くよう懸命に祈った。

数分後。いつの間にか二人の体はベッドに移動していて、その先まで進めるんだと初めて気がついた。
「ファーストキスと同時にベッドインなんて大学生は違うなぁ」って思ったし、ここで下手に驚いたら「やっぱり高校生はガキだな」って思われてしまうと思って、動揺は必死で隠した。

そして、制服のボタンが全て外される。緊張を鎮めようと唾を飲み込む。
すると、その手が急に下ろされた。

「……ごめん」

「え?」

「俺、やっぱり知尋とはできない…」

「……え、えっ?」

頭が真っ白になった。
できない?やっぱり?

呆然としてる間にベッドから離されて、気づいたら玄関で靴を履いていた。

「……あの、なんで…」

何を言おうか決められないまま、とりあえずそれだけ口に出した。
すると恋人から、更に思いがけない一言。

「ごめん……俺、ずっと好きな奴がいたんだ。悪いけど、ソイツのこと忘れられない…」

そこまで言われて何か言い返すのは無理に等しい。
俺は黙ってその家を後にした。

あんなタイミングで、フラれるなんて…
俺は天国から地獄に落とされたような、そんな気持ちだった。

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