ご。
「玲っ!!」
「入ってくんなっつっただろーが!!」
思いきってドアを開けると顔面に向かって辞書が飛んできた。
鼻血出るかと思った……!!
俺は部屋の入口に立ったまま、ベッドの上に座る玲に話しかける。
「玲、本当にさっきのは、誤解だからね…」
「……別に、どっちでもいいけどよ」
「よくない!!だって俺は玲の恋人だし、玲以外の人を好きになったりしないもん!!」
玲は俺の言葉には応えずに、俺に手のひらを差し出した。
俺がきょとんとしていると、玲が「辞書」と言ったので俺は急いで飛んできた辞書を拾って玲に届けた。
渡したついでに玲の隣に腰かける。すかさず玲が少し距離を離した。
「……玲、本当に女の子目当てだったわけじゃないからね…」
真剣な顔でそう言うと、玲が「じゃあどんな理由なんだよ」と尋ねてきた。
こうなったらもう、言うしかない!!
「俺……玲と、もっと恋人っぽいことがしたかったから!!」
「はぁ?」
「映画とか一緒に見れば、そういう雰囲気になるかなと思って。手紙の子は店員で、恋愛映画に詳しいから紹介してもらってただけで…」
だから玲、俺が他の子を好きになるなんてありえないって、わかってね…
「……バカじゃねぇの、お前」
「え?」
「そんなまどろっこしいことせずに、直接言やぁいいだろ」
玲…
そうだよね、俺がバカだった…
「じゃあ玲……俺、玲としたい…」
「嫌だ」
「ええぇぇえ!?」
さっきの『直接言やぁいいだろ』はなんだったの!?
「お願い!!どうしてもダメ?」
「考えただけで悪寒がする」
「そんな……せめてキスだけでも…」
「……キスだけ?」
俺は慌てて何度も頷いた。玲は渋い顔で検討してくれてる。
もし叶えば、玲とキス!!
「……まぁ、キスはしたことあるしな…」
きたーっ!!
確かにそうだけど!合意があって、意識のある玲とキスはこれが初めて!!
超嬉しい……唇が触れた瞬間に、嬉しすぎて死んじゃうかもしれない!
なんて考えていると、玲がこっちを向いて目を閉じる。
「早く済ませろ。5、4、3…」
……えぇ!?時間制限あり!?
俺は急いで深呼吸すると、玲の顔に自分の顔を近づけた。
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