に。
「映画?」
「うん!!借りてきたから、一緒に観よ?」
その夜。早速レンタルビデオ屋さんに行って、恋愛映画を借りてきた。
これ観て、今日はいつもと違う夜を…
「……嫌だ」
「ええっ!?なんで!?」
まさか俺の下心がバレてるとか?
やっぱ急に言い出したのはまずかったかな…
「だって、恋愛映画ってあれだろ?出会って間もない二人が、船の上とかバルコニーとかでワケのわからん会話をして死んでいくような…」
れ、玲たん……なんて偏見を。
っていうか、この映画もそういう系だったらどうしよう!?
しまった、あらすじを調べてから借りれば良かった…
「とにかく俺レポートあるし、無理」
「れい…」
せっかく玲との熱い夜のために準備したのに…
せめて事前に玲の恋愛映画嫌いを調査していれば!!
悲しい思いで玲を見つめると、玲はいつもより少し優しくため息をついた。
「俺が悪者みてぇじゃんか……今度、暇な時に観ようぜ」
「えっホント!?」
「内容によるけどな」
そうか。それまでに玲好みの恋愛映画を借りておかなくちゃ!!
「玲だいすきー!!おやすみっ」
「死ね」
はぁ。玲に優しくしてもらえた…
今夜は眠れないね!!
というワケで!!
「あっ、すいません!!」
早速次の日は、レンタルビデオ屋の店員に確認することにした。
「はい、なんですか?」
「あのー映画の内容についてちょっと…」
優しそうなお兄さんに聞いたんだけど、「恋愛映画なら詳しいのがいる」と他の店員さんを紹介された。
「彼女さんと観るんですか?オススメとか、良かったら紹介しますよ!!」
その店員さんは同い年くらいで、非常に明るい女の子。
だけど、女の子好みの映画を紹介されても困るなー。
「えーと……そう、俺が一人で観るの!!だから、男が観ても感動できるのがいいな…」
店員さんにそう説明すると、嬉しそうに恋愛映画コーナーの紹介を始めた。
「これとか、アクション要素もあって良いと思います!」
「へぇ……死んだりしませんか?」
「……え?」
「いや、出会って間もない男女がワケのわからない会話をして死ぬっていうストーリーは避けてほしいんですよね…」
店員さんは苦笑いしつつその後も面白そうな恋愛映画をたくさん紹介してくれた。
この作戦、うまくいくだろうか?
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