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四天宝寺に転入してから1ヶ月。
クラスの女の子とは話せるようになった(と思う)し、自分でもなかなか馴染んでるんじゃないかと思う。
1つ、問題なのは未だに校舎内を覚えてないこと。
萌ちゃんとはぐれて1人になってしまったらもう教室には戻れない、気を付けなきゃ、と思っていた。
思っていたはずなのに、今現在わたしは1人。
つまり迷子という訳で。

どんっ

「っ」

「おわっ!」

1人でわたわたしていたら、ちょうど角のところで人にぶつかってしまった。

「わ、ごめ…」

「危ないやろが!気いつけや!」

「………」

ぶつかってしまった人は怒りを隠しもせずぶつけてきて、ちょっと怖い。
わたしが全部悪いはずはないとか思っているけど、言えない、怖くて。

「おい、無視か!」

「………、えっと、」

しかも彼の中ではまだ終わっていないらしく、解放してくれるどころか会話がまだ続くらしい。

「あの、ごめん、ね」

とりあえず謝ってみた。けど、あの、視線が痛い。すっごい見られてる。
ぶつかっただけでそんなに怒ってるんだろうか。

「…お前転入生か?」

「あ、うん。そうだけど、」

転入生っていうのは意外と知られているもので、この人は同じ学年なんだろうか。

「あれ、ユウジと会沢?」

「忍足くん!」

曲がり角から ひょこっ と出できたのは同じクラスの忍足くん。
見た目が金髪だから、最初はものすごく遠慮したかったが、性格は見た目を裏切る優しさなので、仲良くさせてもらっている。

「なんや、知り合いやったん?」

「いやいやいや」

この目付きが悪い人は、忍足くんの知り合いらしい。(見た目だけだとかなり近づきたくないコンビだ。)
知り合いというかただぶつかっただけで まだまともに会話をしていない。から、思い切り否定してしまった。(事実、だと思うけど)

「なんやねんこの失礼な女」

「会沢おもろいわー!」

目付きの悪い人は、思い切り睨んでくるし(ちょっと失礼だったかもしれない)忍足くんは大爆笑している。

「ご、ごめん…、えっと、?」

「一氏ユウジや」

「会沢奈佳、です」

「こいつもテニス部やねん、よろしくしたってやー」

この学校で男子テニス部というのはものすごい人気で。
白石くんも凄かったが、忍足くんの人気も凄かった。
そうなると、一氏くんも凄い人気なんじゃないだろうか。
正直、少し近づきたくない。
目立つのは苦手だし、一氏くんは目付きが怖い。

「え、」

「え、ってなんやねんこらぁ!」

「ふぇぇええ!仲良くしてくださいおねがいしますぅう!」

笑ってないで助けて忍足くん!




一氏くんと仲良くなりました


(ユウくーん、こんなとこにおったん?)
そのあと小春ちゃんとも芋づる式で会ったわけです


あきゅろす。
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