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FINAL GAME

 分かっていた事だが、晩ごはんのメニューは完璧だった。
 相変わらず遊来は肉がないと喚いていたが、食後に手作りプリンを出したら機嫌が戻った。こういう所は単純な奴で助かる。

「で、一太も祭に行くのか?」
「……なんで今それを聞くんだよ」

 今いるのは俺の部屋だ。もっと正確に言うとベッドの上だ。
 吹雪と綾都はとっくに帰った。遊来も二人について行ったから暫く帰ってこないだろう。

「いや、一応おまえの家の祭なわけだし。手伝いとかあるのかなと思って」

 といってもどんな手伝いがあるのか知らないが。しかし自分の家が取り仕切る祭なのだ、きっと忙しいだろうと思ったのだが。

「何で手伝わないといけないんだよ、不良なめるな」
「自分で不良と言うのは恥ずかしくないか?」

 どうやら一太は手伝ったりはしないらしい。親不孝な奴だ。俺の言葉に自称不良は煩せぇよと目をつり上げた。

 もちろん、コイツがどれだけ目をつり上げようと怖がる俺ではない。ベッドの上に横たわり、覆い被さる彼の金髪を眺めながら話を続けた。

「じゃあお前も来るか、祭」
「いやだから何で今そんな話を……って珍しいな、お前が誘うなんて」

 一太が自らのシャツのボタンを外そうとしていた手を止める。その間に俺はさっさと上着を脱いでズボンに手をかけた。

「よし、じゃあさっさとヤろうか」「いや待て。話の続きはどうした」

 腕を掴まれて行為を中断させられる。何なんだ、さっきまで早くヤりたそうにしていたクセに。中途半端に服を脱いだ状態のまま一太は聞いてきた。

「……俺が一緒に行ってもいいのかよ」
「ああ。遊来が苛める相手として来てくれればその分俺の負担が楽になる」
「心の声が駄々漏れしてるぞ」

 だって本当のことだし。
 俺の言葉に一太はハアッと大袈裟な溜め息をついてみせた。そして脱ぎかけていた俺のズボンに手をかけてあっさり降ろす。露になった内腿に触れられれば意識してないのに身体が反応した。

「ん……」

 その手を昂りにまで移動されて、微かに声が漏れる。

「あっ……で、来るのか? 来ないのか?」
「……聖王。お前、わざとやってるだろ」

 舌打ちしながらも一太は、行くよ、と返事をした。それからニヤリと悪い顔をしてみせる。あー、嫌な予感。

「これで話は終わった訳だよな」

 そう言うや否や俺のナカにぐりっと指を差し込んできた。

「んあっ!」

 ぞくりとする快感に思わずのけ反って叫ぶ。イキナリだったにも関わらず簡単に入った一太の指を思わず締め付けてしまう。そのまま乱暴に指をピストンされ、口を閉じる間もない程喘がされた。

「やっ…あっ、あっ、いくっ」
「イケよ」

 震える手を伸ばせば、突き放されるように返ってくる声が聞こえた。その声色から一太は落ち着いていることが分かって、乱れているのが自分だけという事実に気付き顔が熱くなる。でも、止められない。

「っ、んっ、んんっ!」

 快楽に従えばすぐに絶頂まで昇りつめた。真っ白になった頭の中で、下半身がじわりと暖かくなるのを感じる。こんなにあっさりイッてしまうなんてどうした、俺。

「早いな」
「っ、しっ、しみじみ言うな、よ」

 俺だって思ったけど。そして何故一太はそんなに訝しげな顔で俺を見つめるんだ。

「色んな奴に可愛がられてるから敏感になったんじゃないのか」
「可愛がられてはない」
「色んな奴、ってとこは否定無しかよ」

 ちっ、と舌打ちした一太を眺める。色んなって何人の事をいうんだろうか。そしてそれは高科の事も入るんだろうか。正確には奴とはヤッてないんだけどな。
 俺がそんな事を考えている内に、むすっとした表情のまま一太が俺の足に手をかけていた。そのまま自らの腰を押し進めてきた時――

「たっだいまーっ!」
「……」
「…………」

 玄関から聞こえる我が弟の明るい声。なんだコイツ、こんなにちゃんと挨拶する奴だったか?まるで帰ってきたとアピールするかのような態度だ。……流石に考えすぎだと思うけど。
 とにかく、子供の前でこの状況はまずい。それは俺も一太も同様の見解らしい。

「ひょっとしてお前の弟の趣味は人の邪魔をすることなのか」

 慌てて服を着ながらぼそりと一太が呟く。

「ひょっとしなくてもその通りだよ」

 答えながら俺もシャツに手を伸ばす。

「あと、お前の弟って……いや、やっぱりいい」

 すっかり帰る支度をした一太が部屋のドアノブに手をかけながら口にする。なんだその意味深な言葉は。

「気になるだろ。さっさと話せ」
「いや、考えすぎだ」

 俺が促すも、軽く頭を振って一太は部屋を後にした。
そういえば一太はヌいてない訳だけど良かったんだろうか。まあ、俺は一回出したからいいけど。


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あきゅろす。
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