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novel【BL】
いつまでも感じていたくて(XS)
昨夜、真っ最中に睡魔に襲われベットに捩じ伏せられながらウトウトしてしまった。
殴られると思い咄嗟に奥歯を噛みしめた。
いつもならここでとんでくるはずの拳が今日はこない。不思議に思い覆い被さる主に眼を向けると優しく抱きしめられ、己よりも低く掠れた声を耳に注がれた。

「少し寝ろ」
「ゔぅん、でも...」
「でもじゃねぇ、さっさと寝ろ」
「じゃあ、おやすみ」

ぶっきらぼうな言葉の中にも優しさが含まれており、暖かく安心感のある腕の中でゆっくりと瞼を閉じ深い眠りに堕ちた。






そして一夜明けた今日、窓から不意に朝日が差し込み顔を照らされ、眩しさに負け目が覚めた。
すると、背中に暖かなものを感じた。後ろから抱きしめるように己の腰に主の腕が絡められてた。めったに見られない寝顔を盗み見すべく、起こさぬようにそっと主に向き合うように体勢を変える。そこには長い睫毛を俯かせ漆黒の闇にも似た髪を少し乱し古傷を纏った黄金色の整った愛しい主の顔があった。あまりに綺麗すぎて想わず見とれてしまった。

「そんなに見つめられたら穴が空く、ドカス」

寝ていたはずの主の声を耳に感じると同時に、腰に腕を回し引き寄せられた。

「いつから起きてたんだぁ?」
「てめえが起きる前からだ」

口端をあげて笑う顔があまりにも美しく見つめると2人の視線が絡み、どちらからともなく唇を重ねる。それは何時ものように貪りつくようなものではなく、軽く触れるだけの優しく甘いものだった。
唇が離れると微笑み、お互いの温もりを確かめ合うように抱きしめあった。


少しでも永くこの幸せが続きますようにと祈りながら再び瞼を閉じた。






End


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